発達障害のお子さまにとってピアノはただの習い事ではなく、情緒の安定や自己肯定感の向上などさまざまな効果が期待できます。しかし、「音符が読めない」「ピアノに興味を持ってくれない」と悩みを抱える保護者の方もいるでしょう。
本記事では、発達障害児がピアノに触れることで期待できる効果や教室選びのポイント、ピアノに興味を持たせる方法を解説します。お子さまの可能性をさらに広げるためにも、ぜひ参考にしてください。
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発達障害の子どもがピアノを習うとどんな効果がある?期待できる結果を紹介

発達障害のあるお子さまがピアノを習うとどのような効果があるのでしょうか、5つの期待できる結果を紹介します。
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集中力が向上する
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自己肯定感が高まる
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運動能力が向上する
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脳が活性化する
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情緒が安定しやすい
①集中力が向上する
ピアノの演奏では、両手の動きやペダルの操作、楽譜の読み取りなど複数の作業を同時に行おこなうため、集中力の向上が期待できます。また、音楽のリズムやメロディーにはさまざまなパターンがあり、「次にどんな音が出るのだろう?」と楽しみながら演奏できる点も魅力です。
演奏中は座って手を動かす時間が増えるので、多動傾向があるお子さまでも座位を長く保てるようになります。
福田音楽教室では、以下のような体験談が寄せられています。
最初は「音楽が好きそうだから言葉の少ない息子のストレス発散になれば」と思っていましたが、ピアノに触れるようになってから新しい曲が弾けるようになるのが嬉しくて、積極的に自ら練習し集中力もついてきました。
褒めてもらえるのを楽しみに家での練習ができ、学校の授業での集中力もついてきたように思います。
引用: 福田音楽教室
②自己肯定感が高まる
発達障害のお子さまがピアノに取り組むと「できる」経験が積み重なり、自己肯定感が高まります。ピアノは押すだけで音が出る楽器なので、指先の動きや演奏の成長が目に見えやすい点が特徴です。
「初めて自分で音を出せた!」という経験は、お子さまにとって大きな喜びです。「できた」という感覚は、次の挑戦に向かう意欲を育みます。
少しずつピアノ演奏の成功を積み重ねることで、自分に自信を持ち、失敗を恐れずに新しい課題に取り組む姿勢も自然と身につくでしょう。
自閉症のお子さまの体験談として、発表会に参加して自信を持てたという声もあります。
最初はこの子にも何か楽しめることを見つけてあげたいという気持ちだけでしたが、少しずつ上達するにつれて自信を持つようになりました。また、発表会で演奏することで達成感を味わったり、親もうれしいことがたくさんありました。
引用: 福田音楽教室
③運動能力が向上する
発達障害のお子さまのなかには、身体を動かすのが苦手な子もいます。ピアノの音を聞くことで、リズムや音に合わせて自然と身体が動き運動能力の向上が期待できます。
また、ピアノの演奏は、右手と左手の同時演奏や音の強弱、ペダル操作など多様な動作が必要です。身体を大きく使う演奏は体幹の安定にもつながり、正しい姿勢を保ちやすくなるため日常生活での動作にも良い影響を与えるでしょう。
ピアノを始めて「お箸が使えるようになった」という体験談もあります。
実際、生徒さんでお箸をなかなか使えなかったお子さんが、ピアノを開始されたとたん手の筋肉がついて補助箸からあっという間にお箸を使用できたケースもありました。
引用: Orange Studio
④脳が活性化する
ピアノの演奏は、脳にさまざまな刺激を与えます。メロディーやリズム、和音の組み合わせなど、多くの情報を同時に扱う力が養われます。
発達障害のお子さまは音の高低やリズム、音色の違いを感じ取りやすい傾向があるため、ピアノの演奏を通じて脳の活性化が期待できるでしょう。
実際に自閉症のお子さまのIQ値が上昇したという体験談も報告されています。
ピアノ教室に入会した時の田中ビネー知能検査の結果では知能指数(IQ)が66でした。それから1年半後の検査結果では知能指数が94と大きく向上しています。
引用: 福田音楽教室
ただし、これらの効果はピアノだけの成果ではなく、さまざまな療育やサポートの結果として得られたものです。
⑤情緒が安定しやすい
ピアノの音楽は、気持ちを落ち着かせる効果が期待できます。静かな曲やゆったりとしたリズムに触れることで、興奮や不安が和らぎリラックスしやすくなるでしょう。
一方で、テンポの早い曲は元気やエネルギーを与えてくれます。発達障害のあるお子さまは感情の浮き沈みが激しい場合がありますが、ピアノを通して気持ちが落ち着く体験を積むことで、情緒が安定しやすくなります。
「完璧主義の息子が挑戦するようになった」発達障害の息子の体験談
新しい曲に出会ってイライラする事もありました。しかし練習を続けることで、「練習すれば弾けるようになる」という手ごたえが支えになりました。完璧主義が少しゆるみ「まずはやってみる」が増えたのは、大きな変化でした。
引用: 発達障害・グレーゾーンの子にピアノ!効果と教室紹介&体験レポ
発達障害児向けのピアノ教室の選び方

発達障害のお子さまがピアノを学ぶ際は、教室選びが大切です。お子さまの特性に合ったピアノ教室の選び方を解説します。
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発達障害に対する理解と配慮ができる講師を選ぶ
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個別対応や少人数制のレッスンを選ぶ
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静かで集中しやすい環境が整っている
発達障害に対する理解と配慮ができる講師を選ぶ
お子さまが安心してピアノを学ぶためには、発達障害やお子さまの特性を理解し、適切に配慮できる講師を選ぶことが大切です。注意力が散漫になりやすいお子さまには、言葉だけでなく表情や身振りなどを交えてさまざまなアプローチで教える対応力が求められます。
一方、自閉症のお子さまは言語でのコミュニケーションが難しい場合もあり、演奏時の表情や反応から感情を読み取る力も必要です。生徒一人ひとりの特性に応じた講師であれば、お子さまとの信頼関係を築きやすく長くピアノを続けられるでしょう。
個別対応や少人数制のレッスンを選ぶ
発達障害があるお子さま場合は、一人ひとりしっかりと対応してもらえる個別対応や少人数制の教室がおすすめです。大人数のクラスでは細かい配慮が届きにくいケースもあるため、注意が必要です。
お子さまの特性や成長に合わせてプログラムを組んでくれる教室なら、パニックを起こしやすいお子さまも少しずつ環境に慣れてくるでしょう。
静かで集中しやすい環境が整っている
静かで集中しやすい環境が整っているかも重視したいポイントです。雰囲気が明るく、リラックスできる教室を選びましょう。
発達障害のお子さまのなかには、光や音に敏感な場合や特定の場所に不安を感じるケースもあります。見学の際はお子さまも一緒に連れていき、教室のレイアウトや音の響き方に問題がないかを一緒に確認しておくと安心です。
静かな環境で個別指導に対応できるピアノ教室なら、落ち着いてレッスンに集中でき、講師ともコミュニケーションが取りやすくなります。
発達障害のお子さまでも通えるピアノ教室・療育施設をエリア別に紹介

発達障害のお子さまが通えるピアノ教室や療育施設を以下のエリア別に紹介します。
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東京
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大阪
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愛知
東京
東京で音楽療育を実施している施設を5つご紹介します。
子どもたちの発達支援や情緒の安定を目的に、さまざまなプログラムを提供している施設です。
大阪
大阪で音楽療育を実施している施設を5つご紹介します。
送迎のある施設もあり、通園・通学の負担も少なく利用できます。
愛知(名古屋)
名古屋で音楽療育を実施している施設を5つご紹介します。
名古屋でも音楽療育を取り入れた施設が増えています。各施設の特徴を参考に、お子さまに合った施設を選びましょう。
近隣で発達障害のお子さまでも通えるピアノ教室をお探しなら「イクデン」をご活用ください

ご自宅から通えるピアノ教室をお探しなら「 イクデン」をご活用ください。「イクデン」では、全国約8万件の児童発達支援や放課後等デイサービスの中から、「音楽療法」を実施している近隣の施設を簡単に検索できます。
保護者の評判や口コミも確認できるため、お子さまの特性に合った教室を安心して選べます。
楽譜が読めない・ピアノが弾けない子どもに興味を持たせる方法

お子さまの中には「楽譜が読めない」「ピアノが弾けない」という子もいるでしょう。最初から上手にピアノを弾けなくても、ちょっとしたきっかけで音楽への興味はぐっと広がります。
ここでは、ピアノに興味がないお子さまでも楽しみながら関心を持てる方法をご紹介します。
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視覚的サポートの活用
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聴覚を活用したアプローチ
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身体を使った学習
視覚的サポートの活用
視覚的サポートを活用すると、ピアノへの興味が湧きやすくなります。視覚サポートには以下のような方法があります。
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カラフルなシールを鍵盤に貼る
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楽譜を色で分ける
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イラストで音の高さやリズムを表現する
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音の上に音名を書き入れる
イラスト入りの楽譜やカラフルなシールを用いると、ピアノへの関心を持ちやすくなります。また、楽譜と鍵盤に色付きシールを貼ることで、音の位置や関係を視覚的に理解でき、楽譜が読めなくてもピアノを弾けるようになります。
このような工夫をしているピアノ教室なら、ピアノへの苦手意識を持たずに音楽を楽しめるでしょう。
聴覚を活用したアプローチ
ピアノのレッスンでは、楽譜を用いずに講師が曲の一部を弾いて耳コピで覚えさせる指導法を取り入れている教室もあります。そのため、読字が苦手なお子さまでも聴覚を活かして、ピアノが弾けるようになるでしょう。
手順通りに物事を進めるのが難しいお子さまでも、聴覚で音を確認しながら指を動かして覚えられるので、無理なく楽しみながら学べます。
身体を使った学習
ピアノ教室は、実際に指で鍵盤を弾くだけでなく、身体で音やリズムを感じ、講師がピアノを弾く様子を見ることで学びが深まります。体感を通して音楽に親しむ経験が増えると、ピアノへの興味を無理なく育むことができます。
発達障害児のピアノ練習でやる気を引き出す方法

発達障害のお子さまがピアノを続けるためには、やる気を引き出す工夫が必要です。具体的な方法をいくつか紹介します。
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お子さまの得意なことと苦手なことを理解して対応方法を変える
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短期間の練習を積み重ねる
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達成できたときは必ず褒める
お子さまの得意なことと苦手なことを理解して対応方法を変える
発達障害のあるお子さまにピアノを取り入れる際は、特性を理解し、得意なことや苦手なことに合わせて対応することが大切です。例えば、音やリズムが好きなお子さまは、興味のある曲や好きなメロディーから練習を始めると取り組みやすくなります。
一方、音や刺激に敏感なお子さまは、音量を調節できる電子ピアノがおすすめです。刺激にならない程度の音量で音に慣れることからはじめるなど、お子さまの特性に合わせた方法で進めましょう。
短期間の練習を積み重ねる
長時間の練習は集中力が途切れ、「ピアノは楽しくない」と感じる原因になるケースもあります。ピアノの練習時間は、15~30分程度に設定するのがポイントです。
短時間の練習を積み重ねることで、集中力を保ちながら効率よく学べます。練習をする際は、次のような言葉をかけると効果的です。
「今日は1つの音だけ楽しもう」
「次はリズムをやってみよう」
細かい目標を設定して取り組むことで、成功体験を積みながら長く続けられます。
達成できたときは必ず褒める
達成できた時は、必ず褒めることが大切です。成功体験が認められると自信につながり、次の挑戦への意欲も湧きます。
お友達やご家族を交えた発表会を企画するのも効果的です。他者に自分の成果を見せて評価されることで、自己肯定感も高まりやすくなります。
「昨日よりいい音が弾けたね」
「いつもより強く音が出ていたね」
このように具体的に褒めてあげれば、自分の成長を実感できるでしょう。
お子さまにぴったりの発達障害児向けのピアノ教室を見つけてできることを増やしましょう

発達障害のお子さまがピアノに触れることで、気持ちが落ち着き情緒が安定しやすくなります。小さな目標を設定し成功体験が積み重なると、自信がつき自己肯定感も高まります。
楽譜が読めないお子さまでも、視覚や聴覚、身体を使って興味を引き付けることが可能です。お子さまの得意なことや苦手なことに合わせて進めれば、無理なく楽しみながら学べます。
イクデンでは就学前から高校生までの療育施設を全国から検索でき、地域やプログラム、音楽療育に力を入れている施設も選べます。ピアノ教室が子どもに合うか分からない場合は、まずは音楽療育を体験してみる方法がおすすめです。
お子さまの興味の幅を広げて、楽しく音楽に触れるきっかけを作りましょう。
イクデンなら、全国約8万件の児童発達支援や放課後等デイサービスのなかから、音楽療法を取り入れている施設を検索できます。
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