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発達障害をもつ子どもの親として、学童保育（放課後児童クラブ）に通わせることに戸惑いや不安を感じる瞬間もあるかもしれません。「うちの子は学童に入れるのかな」「学童では子どもの特性に合わせた対応をしてもらえるのかな」と、心配が尽きない方は多いでしょう。
この記事では、発達障害の子どもが安心して通える学童の選び方について解説します。気になる入所前に実施したいトラブル対策についても合わせて紹介します。
通常の学童が合わない場合には、放課後デイサービスを利用するのがおすすめです。子どもの特性に合った放課後デイサービスを探すときには、特徴や地域、療育プログラムから検索できる「 イクデン」をご活用ください。
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発達障害の子どもは学童に入れる？断られることはある？
発達障害の子どもも、原則として学童保育が利用できます。厚生労働省が示している「 放課後児童クラブ運営指針」には、以下のように記載されています。
障害のある子どもも放課後児童クラブを利用する機会が確保されるため の適切な配慮及び環境整備を行い、可能な限り受け入れに努める。
ただし、運営方針は学童によって違うため、必ず受け入れてもらえるわけではありません。トラブルが繰り返されるなどの理由で 「受け入れ困難」と言われるケースもあります。受け入れてもらえない場合は、自治体や支援機関に相談しましょう。
合理的配慮を求めるには、特性の事前共有がカギになります。「集団が苦手」「特定の刺激でパニックになる」など子どもの特性を伝えておきましょう。
発達障害の子どもが学童の活動の中でつまずきやすいポイント
発達障害の子どもは学童で過ごすなかで以下のようなポイントでつまずきやすいです。
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集団行動やコミュニケーションが難しい
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音や光などの感覚刺激に敏感である
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予定の変更や環境の変化に弱い
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自己コントロールが難しくトラブルに発展しやすい
集団行動やコミュニケーションが難しい
発達障害のお子さんは「みんなと同じ行動をする」「会話のタイミングや流れに合わせる」ことに悩みが生じやすいです。遊びの途中で「順番を守る」場面で自分の主張を優先し、トラブルに発展してしまう場合もあります。
友達の気持ちを読み取ることや場面に応じた言葉選びが難しく、誤解されて孤立感を抱くこともあります。一人ひとりの理解や丁寧な声かけをしてくれるスタッフがいる場合は、安心して集団に参加できる環境と感じてくれるでしょう。
音や光などの感覚刺激に敏感である
騒音やまぶしい光に強いストレスを感じ、学童の環境が負担になる子もいます。「子どもたちの遊びが盛り上がる」「意味もなく大声を出す」など、学童に通う生徒が大きな声を出してしまう場面は多々あるでしょう。蛍光灯の光がまぶしい場合なども同様です。
こうした感覚過敏は意図的なものではなく脳の特性によるもので、本人にとっては「防ぎようのないつらさ」です。保護者の悩みや子どもの様子を施設側に相談し、イヤーマフ・静かな個室の設置などの環境調整が安心感につながります。
予定の変更や環境の変化に弱い
予定変更やイレギュラーな出来事に混乱しやすく、不安やパニックになる子もいます。たとえば、学童で「今日は特別活動です」「急に先生が変わります」など予定外のことが起きると不安が強くなったりパニックになったりします。
先を見通せない状況を苦手とする子の場合は、事前の見通し提示が有効です。子によっては、1日の予定を把握しておきたい子、適宜次の2つ行動を伝えるほうが動きやすい子などさまざまです。パニックになりやすいことと合わせて学童のスタッフに、伝えておきましょう。
自己コントロールが難しくトラブルに発展しやすい
感情のコントロールがうまくできず、他害や大声などの行動に出る子もいます。思いがうまく言葉にならず、突然怒鳴ったり、ものにあたることもあるでしょう。手が出てしまうケースもあり、場合によってはトラブルに発展する可能性もあります。
こうした行動は、本人なりの精一杯のSOSサインです。パニックになってしまった場合に、「静かな環境へ移動する」「深呼吸して落ち着ける」などの環境と適切な支援が必要です。
発達障害の子どもに合う学童を見極める7つのチェックポイント
子どもに合った学童であるかを見極めるためには、以下の7つのポイントをチェックしましょう。
1. 特性を理解した支援専門のスタッフが在籍しているか
2. 視覚的にわかりやすい支援用のスケジュールやルールがあるか
3. 静かに過ごせるスペース（クールダウンできる場）があるか
4. 支援体制が整っており子ども一人ひとりに合った対応がされているか
5. トラブル対応のマニュアルや実績があり万が一のときも安心な体制があるか
6. 保護者との連絡手段・頻度が明確で密に連携がとれそうか
7. 入所前に体験や見学が可能で子どもの反応を実際に確認できるか
1. 特性を理解した支援専門のスタッフが在籍しているか
発達障害の知識や経験があるスタッフがいると、子どもが安心して過ごしやすくなります。実際に発達障害のある子どもを過去に担当していたケースや、理解を深めるために研修を受けているスタッフがいるケースです。
「よく話を聞いてくれる」「子どもの困り感を具体的に伝えてくれる」など、専門性が感じられるか見学時に確認しましょう。子どもの成長を一緒に見守ってくれる安心感が何より大切です。
2. 視覚的にわかりやすい支援用のスケジュールやルールがあるか
発達障害のある子どもにとって、言葉だけの説明では理解が難しい場合があります。活動の予定やルールを、写真やイラストで視覚化している学童は、混乱を防ぎやすく、子どもも安心しやすいです。
1日の流れが目で見てわかる時間割や、やるべきことが明確に示された手順表などがあるか見学時にチェックしましょう。
3. 静かに過ごせるスペース（クールダウンできる場）があるか
発達障害のある子どもは、感情のコントロールが難しいときがあります。そんなとき、一人で落ち着ける静かなスペースがあると、気持ちを整理しやすくなります。クールダウンスペースは、子どもが自分のペースで心を落ち着けるための重要な場所です。
パーテーションで区切られた個室や、本を読める静かなコーナーなど、ほかの子どもたちから離れて過ごせる場所があるかを確認しましょう。このような配慮がある学童では、子どもがストレスを感じにくく、安定した気持ちで過ごせます。
4. 支援体制が整っており子ども一人ひとりに合った対応がされているか
画一的な対応でなく、特性に合わせた柔軟な対応ができる学童が望ましいです。子どもの苦手分野への配慮、得意なことを伸ばす支援など、きめ細やかな対応が行われているかを確認しましょう。
また、スタッフ間での情報共有が適切に行われ、一貫した支援が受けられる体制があることも重要です。個別配慮ができる学童であれば、子どもの成長を着実にサポートしてもらえるでしょう。
5. トラブル対応のマニュアルや実績があり万が一のときも安心な体制があるか
発達障害のある子どもは、コミュニケーションの困難さからほかの子どもとトラブルになることがあります。そのような場合に、適切な対応方法やマニュアルがあり、過去の対応実績がある学童は、保護者にとっても安心できます。
トラブルの予防策や、起きてしまった場合の解決方法、再発防止への取り組みなどについて事前に聞いておきましょう。経験豊富な学童であれば、冷静かつ建設的にトラブルを解決し、子どもたちの関係改善にも取り組んでくれます。
6. 保護者との連絡手段・頻度が明確で密に連携がとれそうか
学童での子どもの様子を把握し、家庭と学童で一貫した支援を行うためには、保護者との密な連携が不可欠です。連絡帳やLINE、メールなどの連絡手段が明確で、日々の様子や気づいたことを定期的に共有できる学童を選びましょう。
また、困ったことがあったときにすぐに相談できる体制があることも重要です。密な連携がとれる学童では、保護者と学童スタッフとの信頼関係が築きやすく、子どもにとってもよりよい支援環境を作れます。
7. 入所前に体験や見学が可能で子どもの反応を実際に確認できるか
どんなによい学童でも、お子さんに合うかどうかは実際に体験してみないとわかりません。入所前に体験利用や見学ができる学童であれば、子どもが実際にどのように過ごすか、スタッフやほかの子どもたちとの相性はどうかを確かめられます。
体験や見学の際は、子どもの表情や行動、疲労度などを注意深く観察しましょう。多くの学童では、9〜10月に説明会や見学会を実施します。普段の様子や現在学童を利用している子どもの様子も確認したい場合は、別途見学できるか相談してみてください。
発達障害をもつ小学生のお子さまは放課後等デイサービスで療育を受けるのもおすすめ
「専門家がいる場所で過ごすほうが安心」と感じる方は、学童の代わりに放課後等デイサービスで療育を受けるほうがよいでしょう。放課後等デイサービスとは、障害のある小学生から高校生を対象にした福祉サービスです。
学童の違いは以下のとおりです。
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学童は生活支援中心で、定型発達の子との交流ができる
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放課後等デイサービスは個別支援や療育が受けられる
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併用がおすすめなのは、生活と療育の両方を必要とする家庭
また、厚生労働省が定めた、「 放課後等デイサービスガイドライン」には保護者支援についても記載されています。このなかには、子育ての悩みなどに対する相談、保護者の時間を保障するために、ケアを一時的に代行する支援を行う役割を担うことが書かれています。
個別指導や療育を受けることを重視する方や、家族の負担を少しでも軽くしたいと考えている方は、学童以外にも放課後等デイサービスという選択肢を検討してみてください。
発達障害の小学生が安心して通える放課後等デイサービスをお探しなら「イクデン」をご活用ください
子どもに合った放課後等デイサービスを見つけるためには、複数の施設を検討するのがおすすめです。放課後等デイサービスを検索する際には、お住まいの地域や希望の条件に合わせた最適な施設を見つけやすい「イクデン」をご活用ください。
施設の特徴や強みの情報に加えて、口コミや評価、在籍する専門職の情報が掲載されています。実施しているプログラムの内容や活動内容、1日の流れについても掲載されているため、子どもがどのように過ごすことになるのか想像しやすいです。
気になる施設はお気に入りに保存できるため、複数の施設を比較しやすいのもポイントです。イクデン経由でも問い合わせでき、見学予約や相談も行えます。
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診断がなくても利用できる？「グレーゾーン」家庭の学童・放デイ選び
診断がないグレーゾーンの子どもでも、学童や一部の放課後等デイサービスを利用できるケースがあります。
学童は、障害の有無にかかわらずすべての子どもが受け入れに努めるインクルージョンの考え方があります。自治体にもよりますが、前年の11月頃から受付が始まり、申し込みが可能です。
一方、放課後等デイサービスを利用するためには、通所受給者証が必要です。障害者手帳を持っていなくても、医師を含む専門家が認めれば申請できます。自治体の障害福祉課や児童発達支援センターに相談すると、利用申請方法やサービス利用までの流れなどを教えてくれます。
困りごとが明確であれば、特性に応じた支援を受けられることもあるため、まずは見学や相談を通じて受け入れ可否や支援体制の確認が大切です。
発達障害をもつお子さまを学童へ預ける際にやっておきたいトラブル対策
学童でトラブルを起こさないか心配な方は、以下のような対策をしましょう。
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家庭内での子どもの様子・特性をプロフィールとしてスタッフへ共有する
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面談を通じてお子さまの課題や他害などの対応策を話し合う
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連絡帳やLINEなどを使って日々の家庭と施設での様子を小まめに情報交換する
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必要に応じて発達障害者支援センターに相談する
家庭内での子どもの様子・特性をプロフィールとしてスタッフへ共有する
子どもの特性や困りごとを事前にまとめて伝えることで、支援がスムーズになります。プロフィール作成が有効です。学童のスタッフは障害児についての専門家ではないケースもあるため、情報をより丁寧に伝えることを意識しましょう。
具体的には、どのような状態なら落ち着けるかや、家庭での過ごし方、過去に発生したトラブルなどを伝えます。
面談を通じてお子さまの課題や他害などの対応策を話し合う
入所時や定期的な面談で課題や対応方法を共有しておくと、トラブルの予防につながります。「困ったときはどうするのか」や「どんな声かけが効果的か」などの共有により、施設と家庭が同じ方向でサポートできます。
また、定期的に話し合うと、保護者としての思いも伝えやすくなるでしょう。安心して預けるために話し合いの機会は大切です。
連絡帳やLINEなどを使って日々の家庭と施設での様子を小まめに情報交換する
日々のやりとりを通じて、家庭と学童で一貫した対応ができます。一見何気ない行動でも、その裏には子どもが伝えたいことがあるかもしれません。生活習慣やルーティン、こだわりなどはとくに共有しておくべき内容でしょう。
情報共有はトラブル対策にも役立ちます。また、連絡帳だけでなく、LINEのようなアプリも有効です。スタッフの記録業務が減ったり、画像や動画などのデータの共有ができたりします。
必要に応じて発達障害者支援センターに相談する
対応に困ったときは、専門家がいる支援センターを活用すると解決の糸口が見つかります。施設内だけでの解決が難しい場合や、家族も不安を感じるときには発達障害者支援センターのような相談先の確保が大切です。
専門スタッフが子どもの特性や具体的な困難に沿った助言をしてくれたり、必要に応じて学校や学童との連携も行っています。孤立せず、第三者のサポートを得ることで、新たな視点や安心につながります。
発達障害のお子さまを学童に入れたい保護者向け｜困ったときに頼れる相談窓口
発達障害の子どもを学童へ入れたい場合は、以下のような窓口で相談が可能です。
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自治体の子育て支援課・障害福祉課
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発達障害者支援センター
多くの自治体には、子育て支援課・障害福祉課があり相談を受け付けてくれます。福祉サービスの利用申請や、支援制度の案内を受けられるでしょう。たとえば、静岡県浜松市では、「 家庭児童相談室」が障害だけでなく教育の相談も受け付けています。
加えて、公的な専門相談機関として発達障害者支援センターへの相談も有効です。東京都の「 こどもTOSCA」や愛知県名古屋市の「 りんくす名古屋」などがあります。家族だけで抱え込まず、公共の福祉を頼る選択肢を持ちましょう。
発達障害のお子さまの預け先は学童以外に放課後等デイサービスもご検討ください
この記事では、発達障害の子どもが安心して通える学童の選び方について解説しました。発達障害の子どもも原則として学童が利用できます。ただし、学童の運営方針やスタッフ不足などの理由で断られてしまうケースもあります。
特性を理解している支援専門のスタッフがいない場合やトラブルを繰り返してしまう場合もあるため、放課後デイサービスで療育を受けるのもおすすめです。預け先に困った場合は、全国8万以上の療育施設を網羅している「 イクデン」をご確認ください。
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