「セルフプランってどんなもの?」
「専門家にお願いするのとどっちがいいの?」
療育を検討し始めたとき、セルフプランについて疑問や不安を感じる方も多いでしょう。
セルフプランを選ぶうえで大切なのは、メリット・デメリットを正しく理解しご家庭とお子さまに合った方法を選ぶことです。
この記事ではセルフプランと計画相談支援の違いから、具体的な記入例、作成の流れまでをわかりやすく解説します。
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セルフプランとは?支援利用計画を保護者自らで作成すること

発達障害・知的障害などで福祉サービスを受けるには、お住まいの市区町村が発行する「障害児通所支援受給者証」や「障害福祉サービス受給者証」(以下、受給者証)が必要です。
この受給者証の交付を申請する際に、どのようなサービスをどのくらい利用したいかを記した「利用計画書」の提出が求められます。この利用計画書を、専門家の手を借りずにご本人や保護者で作成する方法が「セルフプラン」です。
18歳未満は「障害児支援利用計画」、18歳以上は「サービス等利用計画」
利用計画書は、対象者の年齢によって名称や根拠となる法律が異なります。
18歳未満が「障害児支援利用計画」、18歳以上が「サービス等利用計画」とそれぞれ目的や対象サービスが異なります。
項目 | 障害児支援利用計画 | サービス等利用計画 |
対象年齢 | 原則18歳未満 | 原則18歳以上 |
目的 | お子さまの発達支援 | 大人の生活・就労支援 |
根拠法 | 児童福祉法、障害者総合支援法 | 障害者総合支援法 |
おもなサービス | 児童発達支援、 放課後等デイサービスなど | 就労移行支援、生活介護、 グループホームなど |
どちらの計画も「セルフプラン(自分で行う)」か「計画相談支援(相談支援員に作成依頼)」を選べる
利用計画書を作成する方法は、大きく分けて2つあります。
セルフプラン | 本人や保護者が自分たちの手で計画を作成する方法 |
計画相談支援 | 市区町村の相談支援専門員が面談を行い、計画作成する方法 |
どちらの方法を選ぶかは、利用者に委ねられています。以下の表で、それぞれの特徴を比較してみましょう。
比較項目 | セルフプラン | 計画相談支援 |
費用 | 無料 | 無料 |
計画の自由度 | ◎ 非常に高い | △ 専門員の方針による |
利用開始までのスピード | ◯ 早い傾向 | △ 時間がかかる場合がある |
作成・調整の手間 | ✕ すべて自己責任 | ◎ 専門家が代行 |
専門性・客観性 | △ 不足しがち | ◎ 専門的支援を反映 |
見直しの必要性 | △ 自己管理が必要 | ◎ 定期的に実施 |
記入例で学ぶセルフプランの書き方・作成方法|項目別ポイント解説

ここからはセルフプランを実際に作成する手順を、記入例を交えながら解説します。
事前に準備しておくべき書類
①セルフプラン用の様式をもらう
②様式に沿ってセルフプランを作成
③事業所に相談、計画案の合意を得る
④市区町村の窓口に提出
セルフプラン作成の前に|事前に準備しておくべき書類
受給者証を申請するには、セルフプランの様式以外にもさまざまな書類の提出が求められます。
必要となるものの一例
マイナンバーが確認できる書類
本人確認書類
障害児通所給付費支給申請書
19歳未満の控除対象扶養親族申立書
生活記録票
障害者手帳や療育手帳もしくは診断書・医師や臨床心理士等の意見書
(特別支援級在籍者の場合)在学証明書など
とくに医師の診断書は、初診から発行まで数週間から数ヶ月を要する場合もあります。福祉サービスの利用を考え始めたら、早めに医療機関に相談しましょう。
①市区町村の窓口もしくは公式サイトで「セルフプラン用の様式」をもらう
まずはお住まいの市区町村の窓口にて、セルフプラン用の様式一式を入手しましょう。「〇〇市 セルフプラン 様式」のように検索すれば、公式サイトから様式や記入例をダウンロードできる自治体もあります。
その際に「週間計画表」や「基本情報」など、セルフプランとあわせて提出が必要な書類も忘れずに確認・入手してください。
②様式に沿ってセルフプランを作成する
セルフプラン用紙を用いて、計画の中身を記入していきましょう。具体的なイメージが湧くように、A君のケースを使いながら書き方のポイントを見ていきます。
モデルケース
名前 | A君(5歳・男の子) |
状況 | 言葉の発達に遅れがあり、発語は単語が中心。 こだわりが強く集団行動は苦手だが、大好きな電車のことになると驚異的な集中力を発揮する。 |
保護者の願い | 小学校入学までに、お友達と簡単なコミュニケーションが取れるようになってほしい。 |
セルフプラン記入でとくに悩む方が多い以下の5項目について、ポイントを解説します。
解決すべき課題
本人の意向
家族の意向
長期目標
短期目標
ポイント1:解決すべき課題(ニーズ)
本人や家族が日常生活で直面している困りごとを具体的に書き出します。
「会話が苦手」「落ち着きがない」と書くのではなく、どんな場面や状況でどのような行動として現れるのかを具体的に書きましょう。
(例)
自分の要求をうまく言葉で伝えられないとき、かんしゃくを起こすことがある。
ほかの子が使っているおもちゃを無言で取ってしまい、トラブルになることがある。
ポイント2:本人の意向
「こうなりたい」「これをしたい」と望んでいることを本人の視点で記述します。言葉での表現が難しい場合でも、普段の言動や表情から気持ちを汲み取ることが大切です。
(例)
大好きな電車のおもちゃを使って、お友達と一緒に遊びたい。
もっとお友だちと会話ができるようになって、電車の話がしたい。
ポイント3:家族の意向
本人にどうなってほしいか、あるいは福祉サービスを利用して「どんな生活を送ってほしいか」を記述します。大きな目標を掲げるのではなく、日々の生活が少しでも豊かになるような具体的な希望を書くのがポイントです。
(例)
集団生活のルールを少しずつ学び、友達とトラブルなく遊べるようになってほしい。
自分の気持ちを言葉で伝える練習をして、かんしゃくを起こす回数が減ってほしい。
ポイント4:長期目標
これまでに整理した課題や意向を踏まえ、おおむね1年後に達成したい大きなゴールを定めます。具体的な行動よりも、結果として得られる状態を書くのがポイントです。
(例)
集団生活のルールを理解し、お友達と安定した関係を築けるようになる。
自分の気持ちを言葉や簡単なサインで伝えられる場面が増える。
好きなこと・得意なことを通じて自信をつけ、活動に意欲的に参加できるようになる。
ポイント5:短期目標
長期目標に向かうための達成可能な小さな目標を、3ヶ月〜半年程度の期間で設定します。本人が無理なくクリアでき、成功体験につながるような目標が理想です。
(例)
お友達に挨拶ができるようになる。
欲しいものがあるときに、指差しで要求を伝えられるようになる。
③利用したい事業所に相談し、計画案の合意を得る
セルフプランの原案が固まったら、次は利用を検討している事業所にセルフプランを確認してもらいます。「セルフプランでの利用を考えている」旨を伝え、見学・相談のアポイントメントを取りましょう。
事業所スタッフとともに計画と内容をすり合わせ、より現実的で効果的な計画へとブラッシュアップを行います。
④完成した計画案と必要書類を市区町村の窓口に提出する
事業所とのすり合わせを経て完成したセルフプランを、その他の必要書類と合わせてお住まいの市区町村の担当窓口に提出します。
提出後に自治体の審査が行われ、支給が決定されると福祉サービスの利用に必要な「受給者証」が交付されます。
セルフプランはどんな人におすすめ?3つのメリットとデメリット

セルフプランの具体的なメリット・デメリットを解説します。セルフプランは、以下のような方におすすめです。
自分たちの想いを直接計画に反映させたい
自分・家族の現在の状況を整理したい
利用したい事業所やプログラムが明確に決まっている
メリット①:保護者や本人で自由な計画が立てられる
セルフプラン最大の魅力は、計画の自由度の高さです。
「A事業所のSST」と「B事業所の運動療育」のように、複数の事業所のよいところを組み合わせたオーダーメイドの計画が作成できます。
相談支援専門員の方針に左右されることなく、ご家庭の教育方針や希望を直接反映可能です。
メリット②:自分で計画を立てることでお子さまや自分への理解が深まる
利用計画書の作成は、現在の状態を深く見つめ直し言葉にしていく作業です。
利用者の得意・不得意、好きなこと、必要な支援など考えると、これまで気づかなかった一面を発見できるかもしれません。
悩みを客観的に整理し書き出すことは、悩みの可視化・共有につながります。結果として、障害特性への理解がいっそう深まるでしょう。
メリット③:計画相談支援より早く事業所が利用できる場合がある
相談支援専門員は、多くの利用者を担当しています。そのため、面談の日程調整や計画書の作成に時間がかかることも少なくありません。
利用したい療育施設や事業所が決まっている場合、セルフプランであればサービスを早く利用開始できる可能性があります。
デメリット①:書類作成や見直しはすべて自分で行う必要がある
セルフプランの場合、書類作成、事業所への問い合わせや見学調整、契約手続きなどすべて自分で行わなければなりません。
とくに複数の事業所を利用する場合、それぞれの担当者との連絡・調整業務も発生します。そのため保護者の負担が大きくなる点にも注意が必要です。
デメリット②:最適なサービスを見落とす可能性がある
本人や家族が計画を作成するため、どうしても専門的な視点が不足しがちになります。本人に役立つ可能性のある公的サービス、法制度の変更点など見落としてしまうリスクは否定できません。
また目の前の課題解決に集中するあまり、より長期的な視点での計画が欠けてしまう場合も考えられます。
デメリット③:定期的な見直し(モニタリング)が行われない
計画相談支援では、相談支援専門員が定期的に計画を評価・見直しするモニタリングが義務付けられています。しかしセルフプランではこの義務がないため、成長や環境の変化に対応しにくいリスクがあります。
ただし伊丹市など一部の自治体では、セルフプランであっても定期的な計画の更新が必要です。事前にお住まいの地域のルールを確認しましょう。
相談支援を活用すること(非セルフプラン)の3つのメリットとデメリット

続いて計画相談支援のメリット・デメリットを解説します。計画相談支援は、以下のような方におすすめです。
何から手をつければよいかわからない
書類作成や事業所との調整を専門家に任せたい
客観的な視点を取り入れ、本人に最適な計画を作成したい
メリット①:専門家が手続き方法を案内してくれる
初めて障害福祉サービスを利用する場合、複雑な制度や手続きの流れに戸惑うことも少なくありません。
計画相談支援を利用すれば、サービスの種類、申請に必要な書類、手続き方法などを相談支援専門員がわかりやすく案内します。
メリット②:書類作成や調整を専門家に任せられる
本人や家族に代わり、相談支援専門員が利用計画書の作成、事業所との連絡・調整役を担います。
複数のサービスを利用する場合や、事業所との連携が不安な方には大きなメリットです。
メリット③:専門家の視点やさまざまな情報を得られる
本人や家族だけでは気付きにくい潜在的ニーズや、活用できるサービス、新しい制度など専門家の視点がプランに反映されます。
サービス利用開始後専門家に相談できるため、セルフプラン以上の安心感があります。
デメリット:希望通りのプランにならない、時間がかかる可能性がある
相談支援専門員の考え方や方針が、本人・家族の希望と必ずしも一致するとは限りません。そのため、自分たちの想いが十分に反映されないプランになる可能性もあります。
また地域によっては相談支援事業所が混み合っており、計画作成までに時間がかかる、事業所がみつからないケースもあります。
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「セルフプラン」「計画相談支援」どちらの場合でも、まずはどのような福祉サービスがあるのか知ることが重要です。
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送迎サービスの有無
実際に利用した保護者の口コミなど
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主体的な計画作りが、可能性を広げる第一歩につながります

「セルフプラン」は、書類の作成や事業所との連絡・調整など負担が大きい側面もあります。しかし作成にあたって本人の特性を知り、家族の想いを直接反映させる大きなメリットがあります。
もちろん専門家の力を借りる「計画相談支援」も、手続きの負担を軽減できる、専門家の視点を得られるのが利点です。どちらが最適かは、本人や家族の状況によっても大きく変化します。
どちらの方法を選んでも、もっとも大切なのは「本人にとっての最善はなにか」を考え続けることです。主体的な姿勢こそが、本人の持つ可能性を広げることとなるでしょう。
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