全国的に増加傾向の放課後等デイサービスでは、競合他社の急増により利用者の獲得を課題とする事業所が増えています。
利用者獲得に効果的な経営戦略として注目されているのが「差別化」です。とはいえ、毎年1,000ヶ所以上も増え続けている放課後等デイサービスで、独自性を生み出すことは簡単ではありません。
そこで本記事では、放課後等デイサービスの差別化の必要性と選ばれる施設になるための戦略、成功事例や失敗の原因について解説します。
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なぜ今、放課後等デイサービスの「差別化」が必要なのか

多数の放課後等デイサービスが全国で開業されている今、各事業所では利用者を獲得するための対策が重視されています。
なかでも、他社との差別化が必要と考える事業所が多い理由は主に以下の3つです。
事業所の数が急増し、競争が激化しているから
収益率や人件費の高騰が経営を直撃しているから
保護者が施設を「比較して選ぶ」時代になっているから
理由① 事業所の数が急増し、競争が激化しているから
差別化が必要とされる背景には、事業所数の急激な伸びによる放課後等デイサービスの競争の激化があります。
児童発達支援や放課後等デイサービスの利用者は毎年増加傾向にあり、利用者の数に比例して療育施設の数も増えています。とくに、放課後等デイサービスの事業所数は児童発達支援を大きく上回るスピードで急増しているのが現状です。
厚生労働省の資料を見ると、2012年は全国で2,887ヶ所だった放課後等デイサービスが2021年には17,298ヶ所となり、9年間で14,411ヶ所も増加したとわかります。この数値を年単位で平均すると、毎年約1,600ヶ所の事業所が開業している計算です。

出典:
児童発達支援・放課後等デイサービスの現状等について(P.8)|厚生労働省
厚生労働省の「令和5年社会福祉施設等調査」では、2023年の事業所数は21,122ヶ所と出ており、事業所数の増加は今もなお続いています。
理由② 収益率や人件費の高騰が経営を直撃しているから
福祉医療機構が実施した調査によると、2021年度の放課後等デイサービスの赤字事業所割合は45.0%に拡大しています。

出典:
2021年度(令和3年度)児童系障害福祉サービスの経営状況について(P.1)|独立行政法人 福祉医療機構
赤字経営の要因として考えられるのが、収益率の低下と人件費の高騰です。
定員を満たすほどの利用者を獲得できない場合、収益率が低下するため人件費の負担額が増えます。加えて、人件費が高騰している背景も重なり経営にとっては大きな打撃です。
赤字経営の解決策・防止策としては、一定数以上の集客を保って収益率を上げる方法が考えられます。他社との競争に勝ち、保護者から選ばれる施設であり続けるためには差別化が必要です。
理由③ 保護者が施設を「比較して選ぶ」時代になっているから
差別化が必要な理由には、療育施設の選択肢が少なかった時代から、保護者が施設を比較して選ぶ時代に変化したことも関係しています。
最近は、自治体の相談窓口以外にも口コミサイト・ポータルサイト・GoogleMap・SNSなど、さまざまなツールを使った情報収集が可能です。限られた選択肢から施設を選んでいた時代とは違い、今では保護者が幅広い選択肢を持てるほど事業所数が増えているため、魅力を感じてもらえなければ選択肢に入ることすらかないません。
保護者は、さまざまな情報から多角的に施設を比較するため、多数の施設を比較しても印象に残る強みや魅力が必要です。
放課後等デイサービスが他社との差別化を図る3つの戦略

放課後等デイサービスの運営を成功に導くカギとなる「差別化」には、3つのアプローチ方法があります。
ここからは競合他社との差別化に必要な3つの戦略を具体例とともに紹介していきます。
理念・コンセプト(ブランド戦略)で差をつける
支援内容・提供するサービスで差をつける
広報・集客で差をつける
戦略① 理念・コンセプト(ブランド戦略)で差をつける
一つ目の戦略は、理念・コンセプト(ブランド戦略)で差別化を図る方法です。人との関わり合いで成り立つ福祉支援の業界では、事業所が抱く理念や大切にしているコンセプトが保護者の興味・関心のきっかけになります。
そのため、保護者の心を掴む理念・コンセプトで差をつけるのも戦略の一つです。
SSTや学習支援などニーズの高いプログラムを導入する
保護者の共感を得やすい理念・コンセプトを考える際、SST(ソーシャルスキルトレーニング)や学習支援のようなニーズの高い分野に注目するのもおすすめです。
子どもの将来的な自立を考えたとき、ソーシャルスキルや学習面に不安を抱える保護者は多いため、不安を解決してくれる療育プログラムの導入は保護者の興味・関心を引きます。
単にプログラムを導入するだけでは差別化としては弱いため、プログラム導入に込めた思い(理念)や質の高さなどの要素をプラスして差別化を図りましょう。
アート・音楽・農業などの専門特化型で独自性を出す
子どもの個性を伸ばす・活かすといった着眼点から、アート・音楽・農業などの専門性の高さによる独自性は差別化に向いています。
保護者には、子どもの好きなことや個性を伸ばす・引き出すことを療育に求める方も多いため、特定のジャンルに特化する専門特化型は集客を得やすいです。
独自性を築きやすく、理念やコンセプトも一貫性を出しやすいメリットはありますが、特化するジャンルによっては思うような集客が見込めないケースもあるため、ジャンルの選択は慎重に行いましょう。
日々の療育内容や個別支援計画の質を徹底して高める
療育を進めるうえで重要な個別支援計画の質を高めることも、差別化には効果的です。質の高い個別支援計画の提供は、子どもと保護者の成長実感や施設への満足度につながります。
個別支援計画の質を徹底して高めるには、作成するサービス管理責任者のスキル以外にも、きめ細やかなカウンセリング、一人ひとりの特性の把握、スタッフの連携力のようにサービスにもスタッフにも高いスキルが必要です。
裏を返せば、質の高い個別支援計画の提供と実践は、事業所全体のスキルの高さを意味するので満足度の高いサービスが得られるとアピールできます。
児童発達支援との連携で未就学児から一貫して対応する
放課後等デイサービスは、原則として6〜18歳の就学児が対象です。そのため、児童発達支援と連携して未就学児からの一貫した対応も競合との差別化になります。
児童発達支援から放課後等デイサービスに変わるタイミングは、入学による環境の変化が重なり、子どもがストレスを感じやすい時期です。
未就学児から一貫した施設であれば、新生活に伴う子どものストレスを減らせるうえ、保護者も新たな施設を探す手間がかかりません。また、事業所も継続利用によって一定数の利用者を確保できるメリットがあります。
戦略② 支援内容・提供するサービスで差をつける
二つ目の戦略は、支援内容と提供するサービスで差をつける方法です。差別化に成功している事業所は、他事業所と同じ基本的な支援内容や提供サービスを網羅しつつ、独自性を織り交ぜています。
支援内容や提供サービスで差をつけるには、まずは事業所の方向性や強み・弱みをしっかりと理解しましょう。
誰のための施設か、ターゲット像を明確にする
放課後等デイサービスに限らず、経営を成功させるうえで重要なのはターゲット像の明確化です。
「障害を持つ子ども」といった不特定多数を表すターゲット像ではなく、どんな障害を持った子どもか、保護者はどんな悩みを抱えているか、何を解決したい親子なのかなど、しっかりと掘り下げましょう。
誰のための施設か、ターゲット像が明確になると提供するべき支援内容やサービスが浮かんでくるはずです。
SWOT分析で事業所の強み・弱みを整理する
事業所の強み・弱みを整理するには、経営戦略に多用されているSWOT分析が有効です。
SWOT分析とは、強み・弱み・機会・脅威を内部環境と外部環境から整理し、分析するためのフレームワークを指します。事業所を4つの要素から見つめ直すため、すでに把握している課題・強みを再確認できるほか、競合との比較や改善点をわかりやすく可視化できます。
事業所の現状を客観視できるため、差別化に足りない要素を検討したり、戦略を練ったりする場合にも便利です。
保護者アンケートで評価ポイントを把握する
SWOT分析と併せて活用すると効果的なのが、保護者アンケートです。
保護者アンケートの意見は、スタッフだけでは気付かなかった強み・弱みが浮き彫りになるうえ、事業所が自信を持ってアピールできるポイントにもなります。
支援内容や提供サービスが狙い通り保護者に届いているかどうかも判断できるため、保護者アンケートを定期的に実施して評価ポイントを常に把握しておきましょう。
戦略③ 広報・集客で差をつける
三つ目の戦略は、広報・集客で差をつける方法です。
事業所のコンセプトや支援内容の質をいくら高めても、肝心の利用者に届かなければ意味がありません。綿密に練り上げたコンセプトや質の高いサービスがより多くの利用者に届く広報で、差別化を図ります。
療育系のポータルサイトへ掲載を依頼する
幅広い層の利用者に事業所の情報を届けるには、療育系のポータルサイトへ掲載を依頼するのがおすすめです。
さまざまな利用者が目を通すポータルサイトであれば、これまで事業所を知らなかった方や知るきっかけがなかった方にも情報が届くチャンスが生まれます。ポータルサイトの検索機能によっては、事業所の強みや特色と利用者の希望がしっかりマッチしたうえで問い合わせが入るため、集客の成功率も上がるでしょう。
療育施設のポータルサイト「イクデン」では、療育プログラムや提供するサービスを条件にした施設検索が可能です。また、施設紹介の情報量を増やし、施設の強みと利用者の希望がしっかりとマッチングする仕組みを取り入れています。
ターゲット別パンフレットで強みをわかりやすく伝える
広報・集客の効果を上げるには、施設のパンフレットをターゲット別に作成しましょう。
たとえば、保護者向けパンフレットには、療育プログラムの内容やコンセプトの説明を中心に施設の様子が伝わる写真を多めに取り入れたもの、相談支援事業所などに向けたパンフレットには専門的な内容を含めつつ、他事業所との違いやポイントをまとめた営業資料式のものといった具合です。
ターゲットを分けることで、相手にわかりやすく的確に伝わる内容にまとめられるため、事業所の魅力を効率的に伝えられます。
SNS・ホームページで日々の活動を継続的に発信する
施設を検討中の保護者は、利用者による口コミ以外にもSNSや公式サイトからも情報収集を行っています。SNSや公式サイトの印象が事業所の印象に直結するほど影響力があるため、コンテンツは充実させておきましょう。
情報発信の内容としては、子どもたちの様子やスタッフ・施設の雰囲気が伝わる写真や動画を中心としたものがおすすめです。
発信の頻度は多ければ多いほど好印象なので継続的に発信し、年に一度や半年に一度のペースはできる限り避けてください。
見学・体験の機会を増やして口コミを促進する
利用者や体験者の声は、事業所に興味を持っている保護者にとって重要な検討材料になります。開業したばかりの施設や小規模な施設は、見学や体験の機会を増やして口コミを促進しましょう。
見学や体験する機会は普段から参加できるもののほかに、気軽に事業所の雰囲気を知ってもらえるような参加型のイベントを開催するのも方法の一つです。
活動実績や利用者の口コミが少ない場合は、見学者や体験者の方からの口コミも積極的に増やし、SNSや公式サイトを見たほかの利用者にも伝わるように活用します。
支援内容・サービスで差別化!放課後等デイサービスの成功事例を紹介

差別化を図る3つの戦略のなかでも解説した「支援内容と提供するサービスの差別化」に成功した一例として、以下の3つの施設を紹介します。
運動&学習|スポーツひろばプレイス高田馬場教室
プログラミング・ものづくり|FabriCo
英語療育|みらいジュニア
1,運動&学習|スポーツひろばプレイス高田馬場教室

出典:
「スポーツひろばプレイス」は、保護者のニーズが高い運動・学習支援に加え、集団行動を円滑に行うための脳機能トレーニングを取り入れています。
脳科学専門の大学教授や発達障害専門の小児科医師など多くの専門家との研究のほか、特別支援が必要とされる現場での指導・監修を行っており、発達支援に関する知識の深さやプロフェッショナルな部分が強みです。
また、科学的根拠に基づく対応、脳科学に基づく指導技術も特徴としています。
2,プログラミング・ものづくり|FabriCo

出典:
「モノを作る、モノを語る。」がコンセプトの療育施設「FabriCo」は、コンセプトや施設名のとおり、ものづくり(Fabrication)に特化したプログラムが特徴です。
療育プログラムには、プログラミングなどのデジタル活動から工作・料理といったアナログ活動まで幅広く用意しています。
みんなで輪になり、作った作品の紹介や楽しかったことを好きなように話しながらコミュニケーション能力を育てるサークル対話をSSTとして取り入れるなど、ものづくりと対話によって自己肯定感や社会への関心を育てるのが狙いです。
3,英語療育|みらいジュニア

出典:
英語学習に特化した「みらいジュニア」は、マンツーマンのオンラインレッスン付き放課後等デイサービスです。
運営会社であるGRASグループ株式会社が提供するWebrio英会話のサービスを活用し、障害のある子どもの特性に配慮したレッスン内容を取り入れています。
オンラインレッスン以外ではSSTやレクリエーションの中でも英語を取り入れており、放課後等デイサービスと英会話教室のサービスを併せ持っているところが強みです。
【逆効果】放課後等デイサービスで差別化に失敗する原因とは?

放課後等デイサービスの利用者獲得において、競合他社との差別化は重要なカギです。
ただし、差別化を意識するあまり失敗に陥る原因として以下の3つが挙げられます。
他施設の真似だけをしてしまう
支援の質より広告・営業活動に偏りすぎる
広報活動で職員の負担が増えて継続できない
他施設の真似だけをしてしまう
差別化に失敗する原因の一つ目は、他施設の真似だけをして差別化を図ることです。
ターゲットの明確化、マーケティング調査を行わずに他施設を真似しても、療育プログラムや提供するサービスのクオリティや根拠が伴わないため、差別化にはつながりません。
差別化を成功させるには、事業所のターゲットを明確にしたうえで理念やコンセプト、療育プログラムの内容を組み立てることが重要です。
支援の質より広告・営業活動に偏りすぎる
失敗する原因の二つ目は、広告・営業活動に偏りすぎるあまり、本来の目的である発達支援の質が疎かになるケースです。
事業所の運営において集客は重要な課題ですが、偏った広告・営業活動で一時的に利用客が集まったとしても支援の質が悪ければ差別化は難しく、継続的な利用にはつながりません。
利用者が少なくなれば、再び広告・営業活動に時間を割かなければならず、支援の質を改善できないまま同じ失敗を繰り返すことになります。
広報活動で職員の負担が増えて継続できない
三つ目の原因は、広報活動による職員の負担が増えて継続できなくなるケースです。
SNSや公式サイトでの情報発信や更新作業は、小まめな対応が理想的ですが、指導員が子どもの療育にあたりながら、通常業務に加えて対応できる広報活動には限りがあります。
そのため、通常業務に支障が出ない範囲で継続的に発信を続けたり、ポータルサイトを活用したりして効率的に情報を発信できる仕組みを整えましょう。
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放課後等デイサービスに差別化が求められる理由と選ばれる施設になるためのポイントは、以下のとおりです。
2023年の事業所数は21,122ヶ所と増加傾向が続いている
競争が激化する一方で赤字事業所の割合は45%にまで拡大
療育施設は保護者が比較して選ぶ時代になった
放課後等デイサービスの経営を左右する利用者の獲得には差別化が重要
理念・支援内容・広報の3軸で差別化の戦略を立てる
差別化には支援の質の向上と広報活動のバランスも大切
増加し続ける放課後等デイサービスの数に埋もれることなく経営を続けるには、いかに保護者の関心を引き、選ばれる施設になるかがポイントです。
事業所にとって強力なアピールポイントとなる差別化は、赤字経営を防ぎ、安定した集客には欠かせません。事業所の差別化を図るのであれば、保護者のニーズに合った理念とコンセプトを決め、ターゲット像を明確にし、幅広い層に届く広報・集客を実践しましょう。
療育施設のポータルサイト「イクデン」では、全国で8万以上もの施設情報を掲載しています。利用者はエリアごとの施設検索や、各施設が強みとする療育プログラム・提供しているサービスを条件にして検索もできるため、利用者の希望と施設の強みがマッチングしやすく、施設名を知らなかった新しい層へのアプローチが可能です。
特定の地域や条件の保護者に向けてピンポイントに情報発信できるため、事業所がターゲットとする利用者にしっかりと情報を届けて、競合他社との差別化を図りましょう。
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