「経験を通した学び」を実践している教育団体・一般社団法人くまプロジェクト代表、現役大学教員である中山 恵一さんインタビューです!
①支援級の中でも”軽度”の子どもに合わせた支援は、誰がやるのか?——それをする、できるのがOPEN SESAMEなんです
——OPEN SESAMEでは軽度発達障がいのお子さま、“グレーゾーン”のお子さまを対象とされていると伺いました。なぜそのような方針を取っているのですか?
中山代表
はい。私たちがサポートしているのは、いわゆる“グレーゾーン”と呼ばれる子どもたちです。
支援級に在籍している中でも、比較的症状が軽く、自分でできることが多いために、学校や放課後等デイサービスでもサポートの優先順位が低くなってしまいがちな子どもたちです。
たとえば学校では、どうしても支援の必要性が高い症状の重い子に合わせて授業や支援が設計されるため、軽度の子どもは「できるよね?そっちで1人でやっておいて」と言われ、十分な支援が受けられないことがあります。
他の放デイでも、重い子も軽い子も一緒に受け入れる方針のところが多く、軽度の子がしっかりとサポートを受けられないという現実があります。
——軽度の子どもたちは、どのような課題を抱えているのでしょうか?
中山代表
「通常級では難しすぎる」、一方「支援級では先生が見てくれない、内容が簡単すぎるのでつまらない」と感じてしまい、居場所がないと感じている子が少なくありません。
また、学校の先生から十分なサポートを受けられないため自信を失ったり、学校がつまらないと感じ、不登校になる子も多く見られます。
私たちの元へお問い合わせをくださる方々の中でも、お子さんが不登校の状態になっていて悩んでおられるご家庭が多くいらっしゃいます。
——そういった子どもたちに、OPEN SESAMEではどのような支援を提供しているのですか?
中山代表
私たちは、”学校現場や他の放デイが提供できていない”その子に必要なサポートを、その子の障がいの程度・状態に合わせて提供することを大切にしています。
そして、それを提供できるだけの専門性・経験を身につけたスタッフがOPEN SESAMEには揃っています。
支援級の中でも”軽度”の子どもに合わせた教育や支援は、誰がやるのか?——それをする、できるのがOPEN SESAMEなんです。
軽度の子どもたちは、適切なサポートさえあれば、将来的に進学も就職も、社会で活躍することもできる力を持っています。
けれども、その“適切な支援”を受ける場所がなかなか見つからない。
だからこそ私たちは、軽度の子どもたちに特化した放課後等デイサービスとして、この施設を運営しています。
——保護者の方に、特に伝えたいことはありますか?
中山代表
「軽度だから大丈夫」と言われてしまう子どもたちに、本当に必要な支援を届けなければいけない。
それが、OPEN SESAMEの想いです。
他の施設ではなかなか対応が難しい問題にも、私たちの専門性と実践経験を活かして向き合っていきます。
どんな些細なことでも構いません。もし「この子に合った場所が見つからない」と感じている方がいらっしゃれば、ぜひ一度ご相談ください。
②スタッフのことをニックネームで呼ぶ理由――それは、子どもの”自主性”を守り、育むため
——OPEN SESAMEでは、スタッフのことを“〇〇先生”とは呼ばせず、ニックネームで呼ぶと伺いました。なぜそのような方針をとっているのですか?
中山代表
はい、私たちはスタッフを「〇〇先生」とは呼ばせていません。
子どもたちには、スタッフのことを「しょうこちゃん」や「あっくん」の様に、あだ名で呼んでもらうようにしています。
スタッフ同士もあだ名で呼び合っていますよ。これは単に形式的なルールではなく、子どもとの関係性のあり方に関わる、非常に大事な姿勢なんです。
——「先生」と呼ぶことに、どのような問題があるのでしょうか?
中山代表
子どもが「〇〇先生」と呼んだ瞬間、私たちと子どもたちとの間にパワーバランスが生まれてしまうんです。
そうなると子どもたちに何かを言っても、「先生に言われたからやる」「先生の言うことに従う」という構図が生まれ、子どもの自主性が育たなくなってしまいます。
私が嫌いなのは、「先生はね…」という一人称。これを使うだけで、“私たちが上の立場だ”という空気ができてしまう。
大切なのは、子どもと並んで、寄り添って考えることだと私は思っています。
——中山さんは大学でも教員をされていますが、そこでも同じ考えなのでしょうか?
中山代表
はい。ただし、大学は「学校教育」の場ですから、役割としては先生と呼ばれることに意味はあります。
ですが私は、学生から「くま先生」や「くまさん」と呼ばせています(笑)
立場上、上下関係はあっても、“心の距離・立場”は対等でいたいんです。
単位認定や評価・成績をつけるという制度上、学生と教員が完全に対等になることはできませんが、寄り添うことはでき、そしてそれが大切だと思っています。
——OPEN SESAMEは“社会教育の場”としての立場を強調されていますね。
中山代表
そうなんです。
教育には、「学校教育」「家庭教育」「社会教育」の三本柱があります。
学校では学校の教育があり、家庭には家庭ならではの文化や価値観がある。
そして、私たちのような施設は、社会教育の立場から、他の2つではできないことを担う存在なんです。
たとえば、家庭で親を「先生」とは呼びませんよね。
だから、ここでも「先生」とは呼ばせない。これは単なる形式ではなく、教育のあり方に対する姿勢でもあります。
——“社会教育の役割”として、OPEN SESAMEではどんな価値を提供しているのでしょうか?
中山代表
私たちが大切にしているのは、“子どもが自分で考え、自分で選択する力”を育てることです。
そのためには、「先生に言われたからやる」のではなく、「自分で決めてやってみる」体験が欠かせません。
だからこそ、あえて「先生」と呼ばせず、スタッフと子どもが対等な関係性で過ごせる空間づくりを徹底しています。
そして、ここで育んだ“自分で考える力”や“人と関わる力”が、学校や家庭にも持ち帰れるよう、その橋渡し役を果たすのが私たちの使命です。
——最後に、保護者の方に伝えたいメッセージがあればお願いします。
中山代表
「OPEN SESAME」は、“子どもたちの自主性”を育む場所です。
そのために一般的なやり方にとらわれず、私たちならではの教育観に基づいて運営しています。
他の施設ではなかなか対応が難しい問題にも、私たちの専門性と実践経験を活かして向き合っていきます。
どんな些細なことでも構いません。もし「この子に合った場所が見つからない」と感じている方がいらっしゃれば、ぜひ一度ご相談ください。
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