近年、中高生を対象とした支援の中で特に注目を集めているのが「就労準備型放課後等デイサービス」です。
通常の放課後等デイサービスでは、生活スキルや学習のサポートが中心ですが、就労準備型では将来の働き方を見据えた実践的なトレーニングを受けられるのが大きな特徴です。
高校卒業後の進路は、就職や進学、就労移行支援など福祉サービスの活用までさまざま。
その中で、お子様が自立して働くことを希望する場合、「社会に出る前にどんな準備ができるのか」と悩む保護者の方も少なくありません。
本記事では、就労準備型放課後等デイサービスの基本情報から、通常型の放課後等デイサービスや就労移行支援との違い、具体的な支援プログラム、さらに全国で注目される施設まで、保護者の方にもわかりやすく丁寧に紹介していきます。
お子様の自立に向けて、今どのようにサポートすればよいか迷っている保護者の方にとって、この記事が少しでもヒントや安心につながる内容になれば幸いです。
就労準備型放課後等デイサービスの基本について
お子様の将来の働き方については、中高生の保護者にとって大きな悩みの一つではないでしょうか。
「うちの子は本当に就職できるのだろうか」 「社会で困らない力を今から身につけられるのだろうか」と不安に思う保護者の方も少なくありません。
就労準備型放課後等デイサービスは、そんな不安を少しずつ安心に変えていくための場所です。
学校だけでは学びにくい、報告・連絡・相談の練習やタイピング・書類整理、時間管理などの実践的なスキルを専門スタッフのサポートのもとで少しずつ身につけることができます。
またここでは、働くための準備を中心に、楽しく安心して学べるプログラムが用意されており、お子様一人ひとりのペースに合わせた支援が受けられます。
この章では、就労準備型放課後等デイサービスの定義、通常型との違い、対象年齢や障害区分、専門職配置基準について順に説明していきます。
ポイント① 高校卒業後の「就労」を見据えて実践的なスキルという位置づけ
就労準備型放課後等デイサービスは、障がいや発達特性のある中高生を対象に、高校卒業後の「就労」を見据えて実践的なスキルや知識を少しずつ身につけるための施設です。
この制度は、2012年に放課後等デイサービスの一部として制度化され、2021年の告示で 「就労準備型」として正式に位置づけられました。
創設の背景には、高校卒業後にスムーズに就労移行支援や一般就労、さらには自立した生活に繋げられるよう、段階的に準備できる環境が必要という社会的なニーズがあります。
特徴としては、学校だけでは学びにくい社会で必要な基本スキルを自然に身につけられる点です。
たとえば、作業訓練や簡単な事務作業、タイピング、報告・連絡・相談(報連相)の練習などを、日常の支援プログラムに組み込みながら少しずつ学ぶことができ、お子様は社会に出る前に必要な力を段階的に身につけられるのです。
また、利用するには、高校卒業後の就労に備えた支援の必要性を自治体から認めてもらう手続きが必要となります。
これが認められると自治体から「受給者証」が発行され、正式にサービスの利用が許可されます。
つまり、自治体の基準に沿った支援が受けられるため、保護者の方も安心して通わせることができるのです。
このように、就労準備型放課後等デイサービスは制度的な裏付けがある環境で、安心してお子様の「働く力」を育むことができる施設と言えます。
ポイント② 通常の放デイとの違い
就労準備型放課後等デイサービスは、「生活訓練中心か」 「職業準備中心か」という点で、通常の放課後等デイサービスと大きく異なります。
通常型の放課後等デイサービスでは、日常生活に必要なスキルや学習のサポートが中心です。
学校や家庭での生活に関わる目標として「着替えや食事の自立」 「学校での学習習慣を身につける」など、生活面や学習面での達成を目的としたプログラムが中心になります。
一方、就労準備型では、高校卒業後の就労や自立生活を見据え、将来の仕事に直結するスキルを身につける訓練が中心です。
ここでいう 「個別支援計画」とは、お子様一人ひとりの特性や希望に合わせて、どのスキルをどの順番で学ぶかをまとめた具体的な学習プログラムの設計表のことです。
この計画に沿って、日々の取り組み内容や目標が決められます。
あいさつや時間管理、作業の段取りの練習は、単なる生活習慣の訓練ではなく、職場での報告・連絡・相談(報連相)やチーム作業、納期に合わせた作業進行といった実務スキルにつながる具体的な内容として組み込まれます。
さらに、在籍スタッフも通常型とは異なります。
就労準備型では就労支援員やジョブコーチが中心となり、より実践的な職業スキルの習得をサポートします。
このように、就労準備型放課後等デイサービスは、「生活のサポートから働く準備へ」焦点を移し、日常生活の習慣づくりと職業スキルの習得を両立させたサービスであることが大きな特徴です。
就労移行支援・特別支援学校との違い
就労準備型放課後等デイサービスは、高校在学中に通えることに加え、日常生活のサポートと職業準備を両立できる点で、就労移行支援や特別支援学校とは異なる位置づけとされています。
高校卒業後の進路を見据えながら、在学中に実践的なスキルを少しずつ身につけられることが大きな特徴です。
また、お子様の自立を支援する福祉機関には、他にも 「就労移行支援」 や 「特別支援学校」 があります。
ここからは、保護者の方がより具体的に比較できるよう、利用年齢や通所時間、訓練内容や到達ゴール、料金や加算構造といった観点で、それぞれの違いを整理してご紹介していきます。
比較ポイント① 利用年齢・通所時間
就労準備型放課後等デイサービスの大きな特徴は、学校に通いながら無理なく利用できる点です。
通常の学校生活と並行して通えるため、放課後や長期休暇といった空いた時間を活用し、生活スキルや就就職準備を少しずつ積み重ねることができます。
一方で、就労移行支援と特別支援学校は利用年齢や通所時間が異なります。
就労移行支援は18歳以上の一般企業への就職を希望する方を対象としています。
高校卒業後に通うため、基本的には日中に通うことになります。
1日あたりの利用時間は4時間〜6時間としている事業所が多く、実際に働くことを想定して利用時間や通所日数を設定している事業所が多いようです。
また、利用期間は原則として最長2年とされています。
特別支援学校は、義務教育や高校に相当する教育課程に基づいて在籍し、授業の一環として生活スキルや職業準備を学びます。
ただし、あくまで 「学校教育」 が中心であり、職業訓練は補助的に行われる場合が多い点が特徴です。
就労準備型放課後等デイサービス | 6〜18歳 | 放課後・長期休暇中心 | 在学中に、就職準備や生活スキルの訓練が可能 |
就労移行支援 | 18歳以上 | 日中 | 高校卒業後、就労を目指した実践的支援が受けられる |
特別支援学校 | 幼稚園~高校まで | 教育課程に準拠 | 学校カリキュラム中心で職業準備は補助的 |
このように比較すると、就労準備型放課後等デイサービスは「高校在学中から通学と並行して就職準備ができる」点が最大の強みといえます。
早い段階から準備を始めることで、卒業後に就労移行支援へスムーズに移行できるだけでなく、社会に出る前に実践的な経験を積めることも大きなメリットです。
比較ポイント② 訓練内容と到達ゴール
就労準備型放課後等デイサービスでは、高校在学中から働く力の基礎を育てることを目的に、職業基礎能力の評価や作業訓練が中心に行われます。
なお、職業基礎能力評価とは、あいさつ・時間管理・集中力・協調性といった「職場で必要とされる基本的な力」を測る仕組みです。
具体的には、タイピング練習や書類の整理、簡単な作業工程の訓練などを通じて、一人ひとりの得意・不得意を把握しながら段階的にスキルを伸ばしていきます。
一方、就労移行支援や特別支援学校では、訓練の内容やゴールが異なります。
就労移行支援は、高校卒業後を対象に、より実践的な支援が中心となります。
たとえば、実際の職場での実習や企業での職業体験を通して、働く環境に慣れたり就労定着を目指したりする点が大きな特徴です。
また、特別支援学校では教育課程に基づき、学力の定着や日常生活に必要な生活スキルの取得を行います。
具体的には、買い物や調理、公共交通機関の利用などを実践的に行います。
就労準備型放課後等デイサービス | 職業基礎能力評価、タイピング・事務作業などの作業訓練 | 高校卒業後の就労移行支援や一般就労に向けた準備 |
就労移行支援 | 職場実習、職場体験、就労スキルトレーニング | 一般就労への移行と職場定着 |
特別支援学校 | 学力補習、生活単元学習、基本的な生活訓練 | 学習の定着や生活自立スキルの習得 |
このように、各サービスによって訓練内容も目指す到達ゴールも異なります。
就労準備型放課後等デイサービスは、「学校生活の延長線上で少しずつ働く力を養い、卒業後につなげる」という役割を持ち、学校教育や就労移行支援とは明確に区別されているのです。
比較ポイント③ 料金・加算構造
各サービスでは、料金の仕組みや加算制度にも違いがあります。
特に「通所受給者証が必要かどうか」 「自己負担の上限額」 「就職後の定着支援体制」 が大きなポイントになります。
まず、就労準備型放課後等デイサービスは「児童福祉法」に基づくサービスで、利用には市区町村から交付される通所受給者証が必要です。
この通所受給者証は、「障がい児通所受給者証」とも呼ばれ、児童発達支援や放課後等デイサービスを利用するために必要な証明書です。
また、自己負担額は世帯所得に応じて月額上限が決まっているため、それ以上の費用を請求されることはありません。
さらに、加算制度が整っている点も特徴です。
「個別支援計画に基づく訓練の実施加算」「保護者との連携加算」「職業準備プログラムに取り組んだ際の加算」などがあり、利用者の状況に応じて手厚い支援を受けることができます。
一方で、就労移行支援は「障がい者総合支援法」に基づくサービスです
また、利用者の所得に応じて費用の軽減制度があり、経済的負担を抑えながら通うことができます。
たとえば 「企業での職場実習を実施した場合の加算」 「就職後も定着支援を継続するための加算」 などがあります。
これにより、利用者が就職したあとも安心して働き続けられる体制が整っています。
特別支援学校は 「学校教育法」 に基づいており、授業料は公費でまかなわれるため基本的に無料です。
ただし、給食費や教材費、通学にかかる交通費などは各ご家庭の負担となります。
なお、国や自治体の 「特別支援教育就学奨励費制度」 などを利用すれば、教材費や給食費の一部が補助される場合もあります。
就労準備型放課後等デイサービス | 必要 | 世帯所得に応じた月額上限あり | 日常生活・職業準備支援の加算あり |
就労移行支援 | 不要 | 所得に応じた負担軽減制度あり | 就職定着支援、職場実習加算あり |
特別支援学校 | 不要 | 授業料無料 | 学習支援中心、就職準備は補助的 |
このように比較すると、就労準備型放課後等デイサービスは「上限負担が設定されることにより費用の見通しが立てやすい点」と「生活面から職業準備まで幅広くサポートできる加算制度」が大きな強みといえます。
家庭の経済的負担を抑えながら、将来につながる支援を受けられる点は、保護者にとっても大きな安心材料となるでしょう。
就労準備型放課後等デイサービスの主な支援プログラム5タイプ
「ここで具体的にどんな力を身につけられるのだろう」と思う保護者の方も多いのではないでしょうか。
就労準備型放課後等デイサービスでは、学校だけでは十分に学びきれない働くための基礎力や日常生活に必要なスキルを、段階的に習得できるように工夫されたプログラムが整っています。
これらのプログラムは、単に「練習をする場」ではなく、日常生活や学校生活とつなげながら将来の就労に直結するスキルを身につけることを目的としています。
次の章から、その具体的なプログラムの内容を順にご紹介していきます。
① 作業訓練
就労準備型放課後等デイサービスにおける作業訓練は、将来の職場で必要となる基礎的な働く力を育てることを目的としています。
学校や家庭生活だけではなかなか学びにくい 「仕事上のルール」 や 「集中力の持続」 を実践的なプログラムを通して少しずつ身につけていきます。
訓練は、商品の検品作業や封入作業、パソコンを使ったデータ入力、タイムカードを使った勤怠管理など、実際の職場をイメージしたものが中心です。
これらは週に数回の通所時間に組み込まれることが多く、繰り返しの練習を通じて作業の正確性や効率性、段取りを自然に学べるのが特徴です。
それだけではなく、時間を意識する力と責任感を持つ力を育むことができる点も重要です。
たとえば「10分以内に終わらせる」といった制限時間を設けることで、限られた時間の中で集中力を保ち効率的に作業する練習ができます。
また、作業の前にスケジュールを立て、終わったあとに振り返る習慣を取り入れることで、時間の使い方を自分で調整する力が養われます。
さらに、訓練ではグループで役割を分担することも多く、自分の作業が終わらなければ全体が進まないという経験を通して「最後までやり遂げる責任感」が芽生えます。
完成品を誰かに渡す場面を設けると「相手のために丁寧に仕上げる」という意識も自然に育つでしょう。
このように、作業訓練は単なる模擬作業の繰り返しではなく、時間管理や責任感といった社会人として欠かせない姿勢を実践的に学べる機会となっています。
② SST+コミュニケーション
就労準備型放課後等デイサービスでは、社会に出て円滑に働くために欠かせないコミュニケーション力を育むプログラムとして、SST(ソーシャルスキルトレーニング)が行われています。
このSSTは、学校や家庭では練習の機会が限られる対人スキルを、安心できる環境の中で試せるのが大きな特徴です。
プログラムの内容は、グループワークやロールプレイを中心に進められます。
上司役や同僚役を設定し 「報告・連絡・相談(報連相)」のやり取りを体験することで、実際の職場を想定した練習ができます。
また、週に一度は振り返りシートを使って、自分の行動や言葉の選び方を客観的に見直す時間が設けられており、反省点や改善点を自ら気づく習慣も育ちます。
この積み重ねによって、自分の考えを相手に分かりやすく伝える力や、相手の気持ちや意図を理解する力が少しずつ育まれるでしょう。
同時に、協力して課題を解決する場面を通して協調性も養われ、グループの中で自分の役割を果たすことに自信が持てるようになります。
保護者の方からは 「家庭での会話がスムーズになった」 「自分から学校の出来事を話してくれるようになった」といった変化が見られることも多く、日常生活でのコミュニケーションの質が向上する様子を実感できる点が安心につながります。
③ 生活自立トレーニング
就労準備型放課後等デイサービスでは、働くためのスキルだけでなく、日常生活を自分の力で送れるようになることも大切なテーマとして位置づけられています。
そのため、生活自立トレーニングは欠かせないプログラムのひとつです。
内容は、バスや電車に乗って目的地まで移動する練習や、買い物をしておつりを確認する体験、財布の中のお金をどのように管理するかを考える活動など、実生活に直結するものが中心です。
これらの経験を通じて、公共交通の利用方法や金銭感覚といった基礎的な生活スキルが自然と身についていきます。
また、事業所では月ごとに 「自立度ルーブリック」を作成し、子どもの達成度や課題を保護者と共有しています。
自立度ルーブリックとは、「一人でバスに乗れる」 「買い物で正しく支払いができる」 「自分の持ち物を管理できる」といった具体的な行動を項目ごとに分け、それぞれの達成状況を段階的に評価する表のようなものです。
評価は 「まだ見守りが必要」 「少しサポートできる」 「ほぼ自分でできる」 というように3段階程度で評価を行い、それらを保護者に共有することで連携して進捗を確認することができます。
こうした可視化により、保護者はお子様がどのスキルを習得できていて、どの部分の練習が必要かを一目で把握でき、家庭でのサポートもしやすくなるでしょう。
④ ICT・eラーニング活用
就労準備型放課後等デイサービスでは、現代の仕事で必要となるICT(情報通信技術)スキルを身につけるプログラムも取り入れられています。
ここでいうICTスキルとは、パソコンやタブレットを使って情報を整理したり、資料を作ったり、デジタル上でコミュニケーションをとる力のことです。
このプログラムでは、タイピングや文字入力の練習を基礎として、WordやExcelなどのOfficeソフトの操作、表やグラフの作成、簡単なデータ入力の模擬作業を通じて、学校で学ぶ知識を実際の作業に応用する力を養います。
さらに、eラーニング教材を活用して、動画や課題を自分のペースで学習する経験も積むことができます。
こうした活動により、作業を順序立てて進める力や、自分で調べて課題を解決する力、情報を整理して他者に伝える力が自然と身についていきます。
特に、現代の多くの職場ではパソコン操作やデジタルでの情報管理が日常的に求められるため、このプログラムで習得したスキルは、将来の就労に直結する大きな強みです。
加えて、自宅や学校でもICTを使った学習や課題に取り組む習慣がつくことで、自己学習能力の向上や自律的な学びの基礎作りにもつながります。
また、自宅でもICTを活用した学習や課題に取り組む習慣がつくことで、自己学習能力の向上や自律的な学びの基礎作りにもつながります。
さらに、ご家庭でタブレットを使って宿題や課題に取り組むことで、保護者の方はお子様が段階的にデジタル操作に慣れ、職場で必要とされるICTスキルを着実に身につけていく様子を安心して見守ることができるでしょう。
⑤ 保護者向け就労セミナー
就労準備型放課後等デイサービスでは、ご家庭との連携がお子様の就労準備において非常に重要であると考えられています。
そのため、保護者向けの就労セミナーも定期的に実施され、保護者として知っておくべき知識や支援方法を学ぶ機会が設けられています。
セミナーでは、お子様の進路や職業適性を見極める方法、地域で利用できる福祉や就労支援の紹介、さらに就労定着支援との連携方法などの説明などが行われ、ご家庭での生活習慣の見守り方や、お子様が仕事の場面で困ったときにどうサポートするかといった具体的な事例が紹介されます。
これにより、保護者はご家庭内で具体的なサポートを行えるようになり、お子様の将来に向けた準備を施設と一緒に進めることが可能です。
家庭と施設が一体となって支援する環境が整うことで、お子様の成長を安心して見守ることができるとともに、保護者自身も日々の関わりに自信を持つことができるプログラムとなっています。
全国で注目の就労準備型放課後等デイサービスおすすめ5選【特徴と魅力を紹介】
就労準備型放課後等デイサービスは、施設ごとに支援内容や特色、スタッフの専門性が異なるため、選び方が重要です。
そこで今回は、注目されている就労準備型放課後等デイサービスの中から、特におすすめの5つの施設をピックアップしました。
それぞれの施設が持つ特徴や魅力、具体的な支援内容について詳しく紹介します。
就労準備型放課後等デイサービス こすもすカレッジ小金原教室
千葉県松戸市にある「こすもすカレッジ小金原教室」は、在学中の中高生が無理なく働く準備を進めながら、楽しく充実した時間を過ごせる施設です。
ここでは、学校生活だけでは学べない職業準備や生活スキルの習得に加え、多様な過ごし方を通して子どもたちの興味や好奇心を引き出す工夫がされています。
その中でも特徴的なのは、機能訓練専門員による体操や日替わりイベントが豊富に用意されている点です。
体を動かすことを通じて健康を保つとともに、集中力や持久力を高めることができます。
さらに、おやつ作りや四季折々の外出イベントもあり、楽しみながら生活スキルを身につけられる機会が多く設けられています。
また、パソコンスキルを伸ばすプログラムも準備されているため、実際の就職や将来に役立つ実用的なスキルを習得することもできます。
具体的には、まず基本的なパソコン動作から始まり、officeを使った作業やチラシ作成、プレゼン資料作成などを行います。
これらを通して、インターネットの活用の仕方やルールについて実践的に学ぶことができます。
【営業時間】
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平日:14:00~18:00
-
土曜日:13:00~17:00
-
日曜日・祝日:休業
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夏休み:基本的に営業
【施設リンク】
https://www.iku-den.co.jp/details/23764/
就労準備型放課後等デイサービス はぴねすジョブ読売ランド前
神奈川県川崎市にある「はぴねすジョブ 読売ランド前」は、思春期の中高生が自立や就労に必要な力を楽しく身につけられる施設です。
ここでは、単に作業訓練を行うだけでなく、将来直面するであろう困りごとや対人関係の課題に対して、実践的に向き合うプログラムが充実しています。
特徴的なのは、困ったときに助けを求める力を育む点です。
パソコンを使ったサポートの出し方や、助けを求めるメールの書き方、必要な情報の調べ方などを練習することで、日常生活や将来の職場で困難に直面した際に、自分で解決の一歩を踏み出せる力が身につきます。
また、思春期特有の不安定な気持ちやご家庭内のトラブルに向き合いながら、気持ちの整理をする方法も学べるため、精神面の成長もサポートされます。
さらに、障がい者雇用実績のある企業での職場体験・見学が定期的に行われています。
スターバックスでのバリスタ体験など、実際に職場で「やってみる」経験を積むことで、将来の就労選択肢を広げることができます。
なお、この職場体験は長期休暇中に年4~5回程度実施されています。
さらに、保護者向けのサポートも充実しています。
毎月開催される保護者会では、進学や就職に関する悩みや体験談を共有でき、卒業後のOB・OG会では実際の社会経験を聞くことも可能です。
また、毎日の活動内容はアプリを通じて写真付きで報告され、どんな活動にどのような意義があり、どんな力が育まれているのかをわかりやすく確認できます。
これにより、ご家庭と施設が一体となってお子様の成長を見守ることができます。
【営業時間】
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平日:14:30~19:00
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土曜日・日曜日・祝日:9:00~16:00
【施設リンク】
https://www.iku-den.co.jp/details/50942/
児童デイサービス もちの木
東京都板橋区にある「もちの木」は、設立当初から「お金より生活スキル」をモットーに、お子様たちが将来、自立して社会で生活できる力を育むことを目的としています。
保護者の声を受けて開所され、単なる居場所提供ではなく、日常生活での経験を通じてお子様自身が主体的に学べる環境が整えられています。
「もちの木」の大きな特徴は、多彩で実践的なプログラムです。
生活スキルプログラムでは、食事や掃除の方法、買い物や栄養の学習など、日常生活で必要な力を楽しみながら身につけられます。
また、ビジネスマナープログラムでは、パソコン作業や電話連絡、書類作成などを通して社会で必要なスキルを実践的に学べます。
いずれのプログラムも無理強いせず、一人ひとりが興味をもてる内容を選んで取り組めるため、子どもたちの自主性が育まれます。
さらに、SNSを活用した情報発信にも力を入れており、活動の様子やお子様たちの成長を広く伝えています。
これにより、地域の理解を深めるとともに、お子様の多様な就労先とのネットワークづくりにもつながっています。
卒業生が就労先を決めて報告に訪れるなど、卒業後も切れ目なく関わりを持てる点も大きな魅力です。
【営業時間】
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平日:14:00~18:00
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土曜日:11:00~17:00
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日曜日・祝日:営業なし
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夏休み:基本的に営業
【施設リンク】
https://www.iku-den.co.jp/details/24854/
就労準備型放課後等デイサービス スマイルNEXT
「スマイルNEXT」は、障がいのある子どもたちが将来の就労に向けて、生活スキルや仕事の基礎力を着実に身につけられる放課後等デイサービスです。
この施設の大きな魅力は、日替わりで提供される多彩なプログラムにあります。
就労準備プログラムは「Work(働く)」「Sociality(社会性)」「Enjoy(楽しむ)」の3つのカテゴリに分かれており、日常生活や職場で必要な力をバランスよく養うことができます。
まず「Work」では、園芸や工場作業、調理実習、軽作業、PC操作など、実際の仕事に近い体験を通して、生活リズムの管理や集中力、計画性を育てます。
「Sociality」では、SST(ソーシャルスキルトレーニング)やあいさつ・マナー練習、買い物実習、自己表現トレーニングなど、社会で円滑に生活・就労する力を段階的に学びます。
そして「Enjoy」では、ものづくりや科学実験、絵画やネイル・ヘアメイク体験など、好奇心を引き出す活動を通じて、自信や創造力を育てることができます。
さらに、余暇活動としてテーブルゲームや趣味活動、パソコン・タブレット学習など、自分のペースで取り組める時間も設けられています。
これにより、生活の中での自己選択や集中力、楽しみながら学ぶ姿勢が自然に身につきます。
「スマイルNEXT」は、就労に直結する実践的な体験と社会性の育成、そして楽しみながら学べる環境を兼ね備えた施設です。
保護者の方も、日々の活動を通じてお子様が着実に力をつけていく様子を安心して見守ることができるでしょう。
【営業時間】
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平日:10:00~19:00
-
土曜日:10:00~18:00
-
日曜日・祝日:10:00~19:00
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夏休み:基本的に営業
【施設リンク】
https://www.iku-den.co.jp/details/57377/
就労準備型放課後等デイサービス forhappiness
「forhappiness」は、障がいを持つ小中高生のための放課後等デイサービスで、将来の就労に向けた自立準備型プログラムが充実している施設です。
歌唱やダンスなどの音楽療育を中心に、表現力や感受性を高める活動が行われているのが特徴です。
音楽を媒介にした活動は、お子様の集中力や協調性、情緒の安定にもつながり、楽しく取り組みながら成長を促すことができます。
就労に直結するスキルの習得にも力を入れており、パソコンスキルを磨き、検定試験への挑戦もサポートしています。
2024年度には22名が検定に合格し、成功体験を共有することで自信を育て、将来の就労に向けた準備につなげています。
施設は少人数制を採用しており、一人ひとりの特性や興味に合わせたプログラムを提供することで、無理なく学べる環境を実現しています。
生活スキルや運動、屋外活動、学習支援など多彩なプログラムを組み合わせ、心身の発達を総合的にサポート。
経験豊富な児童指導員や保育士が個別にサポートするため、保護者も安心してお子様を任せられるでしょう。
【営業時間】
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平日:14:00~18:00
-
土曜日:12:00~18:00
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日曜・祝日:営業なし
-
夏休み:基本的に営業
【施設リンク】
https://www.iku-den.co.jp/details/23604/
就労準備型放課後等デイサービスに関するQ&A
就労準備型放課後等デイサービスは、将来の就労に向けて生活スキルや社会性を身につけることを目的とした施設です。
しかし、初めて利用を検討する保護者の方には、「うちの子でも通えるのか」「高学年からでも間に合うのか」といった不安があるかもしれません。
ここからは、特に多く寄せられる質問を中心に、利用のポイントをわかりやすく解説します。
Q1 普通学級でも通えるの?
就労準備型放課後等デイサービスは、特別支援学級だけでなく普通学級に在籍しているお子様も利用できます。
学籍の種類に関係なく、障害福祉サービスの支給決定(通所受給証の発行)があれば通所可能です。
ただし、学校との連携はとても重要です。
なぜなら、放課後等デイサービスでの学習や訓練内容を学校の先生に共有することで、学校での生活や学習面での支援がスムーズになり、子どもが安心して通所できる環境が整うからです。
また、体調管理や授業の予定、宿題の負担なども考慮して通所日を調整できるため、学校生活と放課後の活動を無理なく両立させることができます。
事前に担任の先生やスクールカウンセラーに通所の目的や日程を伝え、必要に応じて学校側の理解や協力を得ておくと、お子様にとっても保護者にとっても安心でしょう。
Q2 高学年から通っても間に合う?
就労準備型放課後等デイサービスは、高学年からの通所でも十分に効果を得られるプログラムが整っています。
実際に、高学年になってから12か月以上の訓練を受け、作業能力や職業基礎力が平均で約30%向上したお子様の事例も報告されています。
高学年からの参加の場合、時間的な余裕は少ないですが、短期間でも集中して取り組むことが可能です。
たとえば、作業訓練では、初めての作業でも段階的に手順を学び、繰り返し実践することで短期間でも着実に習得できます。
また、SSTや生活自立トレーニングでは、日常生活で困りやすい場面を想定した練習を行うため、ご家庭でも実践しやすく効果が定着しやすいのも特徴です。
そのため、高学年からでも将来の就労に必要な基礎力を十分に身につけることができ、卒業後の進路選択や職場での自立に向けてしっかり準備を進めることができます。
Q3 就職できなかったら意味ない?
就職だけがゴールではありません。
就労準備型放課後等デイサービスでは、職業準備と並行して、日常生活で必要な自立スキルや進学支援にも力を入れています。
そのため、就職に至らなかった場合でも、通所する価値は十分にあります。
買い物の訓練では商品の選び方や金額計算、レジでの支払いを練習し、実際の生活に即した体験を通じて金銭管理能力を身につけます。
また、公共交通機関の利用プログラムでは、バスや電車の乗り方、時刻表の確認、降車駅でのアナウンス確認など、外出時に必要な自立行動を実践的に学ぶことができます。
さらに、進学や資格取得を目指すお子様に対しては、学習支援や面談を通じて、希望の学校や資格に向けた準備をサポートします。
パソコンスキルやタイピング、Officeの基礎操作なども学べるため、将来的に就職や進学の選択肢を広げることが可能です。
つまり、施設で得られる成長は就職だけにとどまらず、生活全般や学習面での自立力向上につながります。
職業経験や生活スキル、自己管理能力の向上は、将来どのような道に進む場合でも大きな財産となるため、就職できなかったとしても通所の価値は十分にあるといえるでしょう。
Q4 スポーツ系や習い事との併用は?
就労準備型放課後等デイサービスは、週3日以内の通所が一般的であるため、スポーツクラブや音楽教室、学習塾などの習い事と十分に併用可能です。
月・水・金はデイサービス、火・木はスイミングやピアノといった形で、学校や家庭での活動とバランスを取りながら通所できます。
施設によっては曜日固定のスケジュールや振替ルールが整備されており、急な用事や体調不良で参加できなかった場合でも、後日に振替授業を受けられる体制が整っているため、無理なく継続してプログラムを受講でき、生活リズムが乱れにくく習い事との両立がしやすくなります。
さらに、デイサービスで身につける生活自立スキルやコミュニケーション力は、スポーツや音楽など他の活動でも活かすことができます。
たとえば、チームスポーツでの挨拶やルールの理解、音楽教室での発表や協調性など、学校外での活動と日々の訓練が互いに補完し合う形になるのです。
このように、放課後等デイサービスと習い事を両立させることで、さまざまなスキルをバランスよく身につけることができます。
まとめ
お子様の将来のことを考えると、不安や迷いが尽きないのは当然のことです。
しかし、就労準備型放課後等デイサービスでは、お子様一人ひとりのペースや特性に合わせて、少しずつ自分で考え行動する力を育てることができます。
作業訓練や生活スキル、コミュニケーション力の向上など、多角的なプログラムを通じて、お子様は小さな成功体験を積み重ね、自信を深めていきます。
学校や習い事との両立も可能で、家庭との連携を大切にしたサポート体制が整っているため、保護者の方も安心して見守ることができます。
就職だけがゴールではありません。
生活の自立や進学など、多様な目標に向けて取り組める環境があることも大きな安心材料です。
大切なのは、焦らず、お子様と一緒に一歩ずつ前に進むこと。
小さな成長や変化に目を向け、喜びを共有できる時間を重ねることで、将来に向けた確かな土台が築かれていきます。
お子様も保護者も、自分らしい未来に向けて、今から少しずつ準備を進めていけることが、この場所で得られる最大の安心と希望です。
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