お子様の発達や成長を支える場として、近年、放課後等デイサービスが注目されています。
その中でも「集団活動」は、楽しみながら様々なスキルを育む重要な活動です。
本記事では、放課後等デイサービスにおける集団活動の役割や具体的な内容、お子様に合った施設の見つけ方を詳しく解説します。
放課後等デイサービスの集団活動の4つのメリット
放課後等デイサービスにおいて特に重視される「集団活動」が果たす役割、お子様の成長に重要とされる理由を、さまざまな観点から紐解いていきます。
①コミュニケーション能力の向上
放課後等デイサービスの支援で集団活動が重視される理由の一つに、コミュニケーション能力の養成が挙げられます。
学年やバックグラウンドが異なるお子様同士で「交流し意見を出し合う」体験は、自分の考えを伝える力に直結するだけでなく、相手の気持ちを深く理解する練習になり、共感性の向上に繋がります。
食い違う意見の解決策を話し合って見つけ出す訓練も可能なため、対話力やチームワークの研鑽にも効果的です。
集団活動において仲間と協力する中で役割を担い、リーダーシップやフォロワーシップ、周りに目を配る習慣が自然に発達し、将来的な社会生活における主体的行動や本人の自立の基盤となるでしょう。
②協調性を養う
次に、「ルールを守る」体験が、社会でのトラブル回避の準備として重要な点が挙げられます。
家庭内では得にくい「第三者との関わり」が発生する集団の中で、自分勝手な判断や行動が仲間に与える影響を想像させると、自制する力の基礎が形成され、実践的な社会スキルが身につきます。
周囲の状況を感じ取ったり気を配ったりすることは、発達障がいのあるお子様は苦手かもしれません。
しかしこれらのスキルは、仲間たちとの日常的な集団経験によって、自然かつ安全に、徐々に培うことが可能です。
③感情のコントロール習得
感情のコントロール習得も重要な視点です。
お子様同士の関わりから生まれる怒り・悲しみ・喜びなどの多様な感情を他者に表現していく中で、言語化能力やコントロール力が養われます。
例えば、「自分の感情が相手にどのように伝わったか」を指導者にフィードバックしてもらい、適切な言葉選びや伝え方を学ぶ、というプロセスを経験できます。
発生したトラブルの当事者や第三者として、適切に対応したり見守ったりする体験は、学校生活や職場などにスムーズに適応するための土台づくりとなるでしょう。
落ち着きづらい状況になっても、スタッフや仲間からの丁寧な声掛けによって感情を整理する練習を重ねられます。
感情に振り回されない自己管理スキルを身につけると、対人関係やストレスを乗り越えられるようになります。
④チーム活動の経験を積む
また、ゲームやスポーツなどのチーム活動を取り入れられることも重要な理由です。
競争があるチーム活動では、自分の意見を一方的に主張せず他者の意見に耳を傾ける姿勢、健全な競争心、負けても相手を認める気持ちの余裕などを徐々に身につけることを目指します。
全員で目標を達成するプロセスを共有すると、役割分担や助け合いの大切さ、チームでの立ち回りを自然に学べて、情緒も培われます。
チーム活動を通してお子様たちが個々の得意・苦手を理解し、相手を尊重する気持ちを豊かにすることができる点も、集団活動の意義です。
お子様たちが夢中になる!放課後等デイサービスの人気集団活動プログラム
放課後等デイサービスでは、楽しさの中に学びを取り入れた多彩な活動が行われています。
ここでは、実際に人気の高い集団活動をテーマ別にご紹介します。
【身体を動かす】運動系・集団活動の具体例5つ
身体を動かす活動は、ストレスの発散や基礎体力の向上、協調性を身に付ける目的で多数実施されています。
お子様たちに人気の高い活動を5つご紹介します。
①ひっくり返しゲーム
1チーム2人程度に分かれ、制限時間内により多くのコマを自チームの色にひっくり返していくゲームです。
ダンボール1枚を「コマ」として扱い、約20枚ほどの「コマ」の両面を白と黒などで色分けしましょう。
使用済みのダンボールを再利用すれば簡単に準備でき、費用もかかりません。
協力プレイとなるためお互いへの声掛けが自然に発生し、スピードが求められるため瞬発力や集中力を高めつつ、軽い運動効果も期待できます。
②2人1組ダンボール競走
1人がダンボールに乗り、もう1人がダンボールを押したり引いたりしてゴールを目指すゲームです。
途中の役割交代、コース上の簡単な障害物配置などのアレンジも可能です。
乗る側のバランス感覚だけでなく、押し引きする側のスピードの工夫なども重要なため、試行錯誤する力や身体能力の向上に繋がります。
お互いの声掛けはもちろん、体格差や得意・不得意を考慮した役割分担の話し合いを要するため、コミュニケーションの練習にもなります。
③スリッパ跳ばし
スリッパを足や手で飛ばして、得点の書かれた的を狙って競う、とてもシンプルなゲームです。
的は床に円を描いたりペットボトルを置いたりと、手元にあるもので柔軟に作成可能です。
集中力や順番を守る力も自然に学べ、手足のコントロール力が鍛えられるほか、得点制にすると簡単な計算練習としても応用できます。
④新聞紙破り
新聞紙を手で自由に破る遊びです。
制限時間内に細く長く破る、小さな破片をたくさん作るなど、テーマを設けるとルールに工夫を加えられます。
感覚統合の刺激に繋がる遊びが座った状態でも可能なため、多様なお子様が一緒に行える点で療育現場で取り入れやすいです。
片付けを協力させると、掃除の習慣づけや助け合いの姿勢まで身に付けることができます。
⑤その他
音楽に合わせて体を動かしたり、真似したりして遊ぶ「リズム体操」、グループ対抗の「リレー遊び」、座ったままボールを打ち合う「シッティングバレー」などが人気です。
いずれもルールが簡単で、身体能力の向上だけでなくリズム感や自己表現の練習になり、 年齢や特性に応じた難易度調整が可能な点も特長です。
【思考力を高める】頭を使う集団活動の具体例5つ
身体を使う活動だけでなく、頭を働かせる活動も多いです。
お子様が夢中になる思考力を使う取り組みを5つご紹介します。
①使う物カルタ
日常で使う物の「用途」を読み手が伝え、描かれた絵札を取るカルタです。
身近な道具や物の使い方を楽しく学べる教育的な要素があり、言葉と物のつながりを意識させるきっかけになります。
読み上げへの素早い反応が求められるため、瞬発力や集中力が鍛えられ、人の話を静かに注意深く聞く姿勢も育まれます。
勝ち負けのルールもあるため、集団での活動マナーを自然に学ぶ場としても有効です。
②間違い探し
2つの画像を見比べ、細かい違いを見つける遊びです。
集中力や観察力を高め、注意深く物事を見る力が育つと同時に、視覚的に認識する力や比較する思考が養われるため、学習前のウォーミングアップにも活用できます。
ルールが簡単なため、学年に関係なく楽しめるのも魅力です。
③暗記しりとり
最初の単語から順に繰り返して覚え続けるしりとりで、遊びながら記憶の定着を図れる活動です。
記憶力や集中力の向上に加え、ボキャブラリーや言葉の連想力も養われます。
準備物が不要で場所や時間に左右されないため、課外活動や移動時間などにも実施できます。
④ジェスチャーでプレゼント
声を出さずにお題をジェスチャーで伝え、相手に当ててもらうゲームです。
表現力や非言語のコミュニケーション力を育むと同時に、相手の気持ちを汲み取ろう、理解しようとする共感力も高まります。
ジェスチャーをする側にも回答する側にも自然と笑顔が生まれ、正解を想像する過程で場の雰囲気が和やかになる点も人気です。
⑤その他
他にも、友達と一緒に遊ぶ中でお子様の生活スキルを向上させる取り組みが多く行われています。
記憶力や観察力が重要になる身長並べ、聴覚と瞬発力が高まるイントロクイズなどは、よく用いられるゲームです。
【協力と創造性を育む】制作・クッキング系集団活動の具体例8つ
仲間と協力する力を育む制作系・クッキング系のプログラムを8つご紹介します。
①簡易ステンドグラス
プラ板とアルミホイルなど身近な材料で、完成度の高いステンドグラス風の作品を制作する図画工作活動です。
プラ板の厚みを変えたり、色の組み合わせや形の配置を考えたりする中で創造的思考が育まれます。
完成した作品を光の入る窓際などに並べると、視覚的に綺麗なだけでなく、他のお子様の作品との一体感が生まれ達成感にも繋がります。
②ペットボトル空気砲
ペットボトルの底を切り抜き、風船を取り付けて作る空気砲です。
トイレットペーパーの芯などを的にすると繰り返し遊べて、空気の力や圧力などの科学的観点から仕組みを学べるメリットもあります。
柔らかく軽いものを的にし、お子様同士に適度な距離を確保するなど、安全性を考慮して実施することも大切です。
③牛乳パックびっくり箱
牛乳パックと輪ゴムを使って簡単に仕掛けを作れるびっくり箱です。
工作中は手先の器用さや集中力が養われ、完成後は友達や家族に披露すると交流が生まれます。
牛乳パックへのデコレーションやお絵描きでオリジナリティを表現でき、友達同士で盛り上がれるアクティビティです。
④ポップコーン作り
ポップコーン豆とフライパン、またはホットプレートで簡単に作れるため人気があります。
ポップコーンが弾ける様子は視覚的にも聴覚的にも楽しむことができ、調理を交代制で行うと順番待ちや協力の機会も得られます。
作りたてをその場で味わえるのも、魅力の一つです。
⑤ベビーカステラ
ホットケーキミックスとたこ焼き器を使って気軽に作れるカステラです。
丸い形に焼き上げるために手を動かす工程が多く、完成形が可愛らしいのでお子様たちに大人気です。
ひっくり返すタイミングをみんなで相談したり、 出来たてを味わいながら声をかけ合ったりと、随所でやりとりが生まれます。
完成したカステラにチョコペンやトッピングで飾り付けると、さらに盛り上がります。
⑥お菓子の袋ポーチづくり
色や柄が可愛らしい市販のお菓子の袋にファスナーを取り付けて、オリジナルのポーチを作る活動です。
ファスナーの付け方を教え合いながら完成を目指し、できあがった作品を見せ合うと自信にもつながります。
指先を器用に使う作業が多いため、集中力や慎重さを養う良い機会になります。
学校での図画工作や家庭科実習の前段階として、創作活動への関心を高める活動にも最適です。
⑦お麩ラスク
お麩をバターで焼き、砂糖やきな粉をまぶして作る、手軽で楽しいラスク作りです。
たとえ失敗しても繰り返し挑戦しやすい簡単な取り組みのため、成功体験につなげられます。
焼き加減を見守ったり味の感想を言い合ったりする過程で、身近な素材を使ったクッキングの楽しさに気づけるでしょう。
味付けを工夫すれば、ご家庭で再現するきっかけにもなります。
⑧クレープ
ホットケーキミックスで生地を作り、好きな具材を包む体験です。
クレープは人気スイーツのため、思い出になりやすいです。
包み方の難しさから、スタッフのサポートを受けながら友達同士で教え合う場面も想定されます。
トッピングを工夫すれば見た目にもこだわれるので楽しみを広げられ、おかず系とスイーツ系の具材を用意すると好き嫌いが多い子も参加できます。
個別療育と集団療育、お子様に合うのはどちら?
療育の2つのスタイル「個別療育」と「集団療育」には、それぞれにメリット・デメリットがあり、お子様の特性やニーズに合わせて選ぶことが大切です。
ここでは、両者の特徴をわかりやすく解説し、最適な療育を見つけるポイントをご紹介します。
個別療育のメリット
まずは、個別療育のメリットを確認していきましょう。
個別療育では、お子様に寄り添い、課題や身につけたいスキルへの細やかな支援が可能です。
お子様の発達状況やその日の気分、体調に応じて、療育の内容をその場で調整し柔軟にアプローチできます。
指導員とマンツーマンの環境は、「小さなゴール」や「褒める機会」を多く設けられるため、成功体験を積み重ねやすいです。
声掛けをはじめとして、指導員とじっくり向き合える環境では、密な信頼関係を築きやすく、お子様が安心して療育に取り組めます。
他人との関わりが苦手でも、周りを気にせず静かな環境で自分の感情や考えに向き合えるため、困難な課題に対して自信を失うことなく、前向きに乗り越える気持ちが育ちやすいです。
個別療育のデメリット
デメリットは、社会性・協調性の育成機会が少ない点です。
他のお子様との関わりが少ないため、集団生活に必要な社会性やルールの理解力、協調性を育む機会が限られます。
コミュニケーション力など、集団行動に必要なスキルを身につけにくい側面があり、友達の行動を模倣することで学べる機会も減る可能性があります。
また、個別療育を提供する事業所は限られており、希望するサービスの利用が困難なこと、施設選定のハードルが高いこともデメリットの一つです。
集団で不安を感じやすくパニックを起こしやすいお子様が安心して療育に取り組むためには、一部デメリットもあるものの、個別療育からスタートするのがおすすめです。
集団療育のメリット
集団療育のメリットには、社会性とコミュニケーション能力の向上が挙げられます。
他のお子様と一緒にグループ活動を行うことで、目線合わせや順番待ち、会話のキャッチボールなど、集団生活に必要なソーシャルスキルやコミュニケーション能力を習得できます。
チーム対抗のゲームやチームスポーツは、友達との競争や協力の楽しさを体験でき、目標設定やモチベーションの向上を図れる、個別療育では経験できない活動です。
グループでの成功体験は、仲間からの共感を得られ、チームメイトとして貢献することの自己効力感にも繋がります。
他者の反応を見ながらロールプレイやゲームなどを実践すると、表現力や言葉選び、共感力などを身につけられ、実践的な学びの場になります。
集団療育のデメリット
一方で、お子様が集団行動に強い苦手意識を持つ場合、刺激が強すぎて「行きたくない」とストレスに感じることがある点はデメリットです。
集団内に相性が合わない友達がいれば、さらに苦痛に感じてしまうかもしれません。
グループ内での人間関係をうまく構築できないと、関わるのが辛くなり療育への意欲を削ぐ恐れがあります
また、一度に複数児童をサポートするため、一人ひとりのお子様に目が行き届かない可能性があります。
全員同時に決められた内容に取り組む形式から、難度が合わないと意欲が削がれ集中できないケースもあり、個別療育で行われるような、個々の特性に合わせたきめ細やかな支援は難しい場合が多いです。
多様な障がい特性や状況に対応するには、高度な支援力とスタッフ間の連携が不可欠なため、サービスの質が問われることが多いのも懸念点です。
将来的な自立を見据え、社会で生きていくために必要なソーシャルスキルを身につけたい場合、集団行動に過度な苦手意識がなければ、集団療育をおすすめします。
お子様に最適な療育を選ぶ2つのポイント
それぞれのメリット、デメリットを踏まえて、お子様に最適な療育を選ぶポイントを確認しましょう。
1つ目のポイントは、お子様の「伸ばしたいスキル」に合わせて選ぶことです。
児童発達支援と放課後等デイサービスの運用ガイドラインで定められている「支援の5領域(健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、人間関係・社会性)」に沿って考えましょう。
例えば、着替えやトイレなどの日常生活での動作、姿勢や身体の使い方、数の理解や行動障害の予防、発語・読み書きなどの言語スキル習得など、具体的な課題へのアプローチは個別療育が適しています。
自分の考えを伝える、相手の気持ちを理解する、友達と一緒に遊ぶ、順番や貸し借りなどのルール理解といった社会性やコミュニケーション能力の育成には、集団療育がおすすめです。
2つ目のポイントは、「お子様の年齢」を基準にすることです。
お子様が未就学児の場合は、「できること」を増やすために、一人ひとりの課題に寄り添う個別療育から始めることを推奨します。
小学生〜高校生の場合は、集団生活への適応に必要なスキルを育むため、集団療育がおすすめです。
また、お子様が療育に慣れるまでは年齢に関わらず、より安心して取り組める個別療育からスタートするのも一手です。
上記を前提に、無料プログラム体験会に参加し、指導員に相談してお子様の様子を観察し、最適な療育方法を見つける必要があります。
積極的な体験会への参加は、一般的な保育・療育選びの観点からも広く推奨されているポイントです。
個別・集団という形式だけでなく、「その場所がお子様に合うか」「家庭や学校との連携が取りやすいか」など、実践的な視点から判断しましょう。
集団活動が苦手でも大丈夫!お子様に合った支援を見つける方法
集団活動が苦手なお子様は、大人数での関わりや決まったルールに則った行動に不安を感じやすいため、放課後等デイサービスでは、様々な工夫で安心して参加できるよう配慮しています。
ここでは、お子様に合った支援の見つけ方や施設選びのポイントを詳しくご紹介します。
集団活動に抵抗があるお子様の特徴と理由
個々の特性や発達段階に合わせたきめ細やかな支援が難しい集団環境では、お子様が自分だけ取り残されているように感じ、集団の中で孤立してしまうリスクがあります。
集団行動やコミュニケーションに強い苦手意識を持つお子様は、周囲の評価を重視する傾向が強いため、他者との関わりに不安を抱き、緊張したり回避行動を取ったりすることが多いです。
期待されるスキルが身につかないと、自信や居場所、参加意義を見失い、自己肯定感の低下に繋がる恐れもあります。
しかしながら、「集団生活ができないと社会で生きていけない」といった誤解やプレッシャーから、お子様に集団活動を強いるケースも見受けられます。
スタッフや保護者は、まず「集団が苦手でも尊重されるべき」という考えを持つことが大事です。
集団で過ごす時間の長さにお子様が感じる拘束感や苦痛が、心理的なストレスにつながる場合もあります。
強いストレスを伴うことがある集団でのコミュニケーションを無理に促すと、かえってお子様にグループ活動への拒否感や精神的な重荷を与えてしまい、二次的な心理的負担を生む可能性も否めません。
お子様の気持ちに合わせて時間帯や活動内容をフレキシブルに調整し、途中で休憩を挟んだり個別スペースを確保したりして、身体的にも精神的にも過ごしやすくする工夫が必要です。
集団活動に抵抗があるお子様に対しては、環境や支援のあり方を柔軟に整えることが重要です。
多様化する放課後等デイサービスの選び方
放課後等デイサービスの在り方や運営方針は多様化しているため、お子様の特性や保護者の状況に合った施設選びは非常に重要です。
例えば、多機能型事業所スピカでは、個々を尊重する方針を取り集団行動を強制せず、お子様の興味に応じて、アート・音楽療法、運動療育、学習サポートなど多彩なプログラムを展開しています。
「居心地のよさ」を重視した設計で集団行動によるストレスを軽減し、安心感を持って過ごせる環境作りを推進しています。
集団の中で緊張しやすいお子様、自分のペースで過ごしたいお子様には適した環境といえるでしょう。
柔軟な対応は大きな支えになるため、来所・退所時間の自由度を高めている施設や、あえて送迎を行わず療育への参加意識を促し家庭との連携強化を図っている施設もおすすめです。
共働きの場合などは難しいかもしれませんが、無理なく通所を続けさせるうえで、積極的に関わってサポートしたいご家庭にとっては有意義な仕組みです。
施設によっては、情報処理技能検定取得支援などのITスキルを導入した学習支援をはじめ、お子様の興味や得意分野に合わせた専門的な療育を提供しています。
得意分野に特化して学習させると達成感が高まり、意欲の向上と自信・自立心に繋がるため、興味のあることに積極的に取り組めるお子様には特に効果的です。
放課後等デイサービスは、厚生労働省によって不登校児の利用が許可されており、登校が困難なお子様の「居場所」の一つとして機能しているものの、対応の難しさから受け入れていない施設も多いです。
国は教育支援センターやNPOなどと協働することも指導方針に掲げ、学校や地域資源との連携強化を推奨していますが、「学習」「運動」「療育」などの幅広い役割をひとつの施設で賄うのは厳しい実情があります。
保護者自身がお子様に合った環境を求めて主体的に動き、不登校支援に力を入れている施設を丁寧にリサーチしたり、複数の支援機関の役割を理解し積極的に関わったりする姿勢が不可欠です。
すべてを施設任せにせず、放課後等デイサービスが地域の各支援機関とどのように連絡を取り合っているか、しっかりと見極めることも重要です。
個別支援計画の重要性と保護者の役割
お子様に合わせた個別支援計画の作成、保護者との関わりを強化している施設も多く、ニーズに合わせた多様化が進んでいます。
個別支援計画は、一人ひとりのニーズや特性、状態に応じて作成される具体的な支援プランです。
お子様の「やりたいこと」や「伸ばしたいこと」を明確に反映しており、これに沿って活動を実施します。
各事業所は、指導員による自己評価と保護者による他者評価を実施し提供サービスの質を公表しており、施設が目指す支援と実際の評価を確認可能です。
お子様の送迎時などに保護者の悩み相談に乗ったり、ペアレントトレーニングを重視したりと、保護者の心理的負担の軽減にも注力しています。
多くの施設では、利用契約前に無料プログラム体験会や見学会、相談会に参加できます。
実際に通所しているお子様の様子を観察したり、指導員に直接相談したりすることで、お子様に合った療育方法を見極めましょう。
まとめ
放課後等デイサービスの集団活動は、お子様の社会性、コミュニケーション能力、協調性、自立心、自己肯定感など、将来の社会生活に不可欠な様々なスキルを育む貴重な機会となります。
集団活動には多様なプログラムがあるため、お子様の興味や発達段階に合わせて最適な活動を選ぶことが大切です。
また、集団活動を効果的に行うためには、お子様一人ひとりの特性や年齢への配慮、全員が楽しめるプログラムの工夫、スタッフ間の密な連携、適切な時間管理などが重要となります。
もしお子様が集団活動を苦手としている場合は、本記事で比較した個別療育のメリット・デメリット、お子様のニーズに特化した多様な施設を確認いただき、地域の施設をリサーチしてみてください。
お子様に最適な療育を見つけるために最も重要となるのは、「伸ばしたいスキル」や「年齢」を考慮し、実際に施設の体験会に参加して相談、比較することです。
納得できる選択をするために、お子様にとって最適な療育を見つけましょう。