療育を申し込んだのに「利用は難しい」と断られてしまうと、多くの保護者は戸惑い、不安や孤独感を抱きます。とくに自閉症や発語なし、知的障害など継続的なサポートが必要なお子さまを育てる家庭では、「この先どうすればいいのか」と先行きが見えなくなることも少なくありません。
しかし、断られたことは必ずしも支援が不要ではなく、理由を知り、次の行動に移すことで新たな選択肢が開けます。本記事では、療育を断られる理由と対処法、次の相談先や探し方、再申請のポイントまで詳しく解説します。
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なぜ療育を断られた?支援が受けられない6つの理由とその対処法

療育を申し込んだにもかかわらず「利用は難しい」と言われると、多くの保護者は戸惑いや不安を感じるものです。療育を断られる背景には、施設側の事情や制度上の条件、支援方針の違いなど、さまざまな要因があります。
ここでは、療育が受けられない主な6つの理由とその際の対処法を紹介します。
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対象年齢や居住エリアがサービス条件と合わなかった
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利用定員が超過して受け入れが難しくなっている
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事業所の支援方針と保護者の希望にズレがあった
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初回面談や評価で「現時点では支援が不要」とされた
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多動・易怒性が周りに迷惑をかけるため受け入れられないといわれた
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医療的ケアや重度支援への対応が施設側で難しかった
理由① 対象年齢や居住エリアがサービス条件と合わなかった
療育施設は、発達の遅れや障害の有無だけでなく、対象年齢や居住エリアといった条件も利用条件に大きく関わります。たとえば「未就学児のみ対応」「小学生以上は別事業所へ案内」など年齢で区分している場合や、居住地が異なると利用できないケースがあります。
とくに放課後等デイサービスでは、小学生から高校生まで幅広く対応しますが、地域や施設ごとに年齢層の偏りがあり、希望年齢の枠が埋まっていることも珍しくありません。 厚生労働省のデータによると、児童発達支援は5〜6歳の未就学児の利用がもっとも多く、年齢が上がるにつれて利用者数は減少する傾向があります。

出典:
利用を断られた場合は、自治体や相談支援事業所に条件の合う施設を紹介してもらい、並行して複数の候補を検討しましょう。
理由② 利用定員が超過して受け入れが難しくなっている
療育施設には、法令や人員配置基準に基づいた「利用定員」が定められており、この上限を超えて受け入れることはできません。近年は療育の利用希望者が急増しているため、とくに人気の施設では満員状態となっているケースも珍しくありません。
厚生労働省の統計によれば、児童発達支援や放課後等デイサービスの利用者数は年々増加しており、平成25年度以降右肩上がりで推移しています。

引用:
希望する施設が満員の場合、空きが出るまで待機リストに登録する方法もありますが、利用開始まで数ヶ月以上かかることもあります。早急に支援を受けるには、複数の事業所に問い合わせることや近隣地域まで範囲を広げて探すといった、短時間利用や曜日限定利用など柔軟な条件で申込むことが必要です。
理由③ 事業所の支援方針と保護者の希望にズレがあった
療育は施設ごとに理念やプログラム内容が異なり、保護者が望む支援方法と事業所の方針が合わない場合、受け入れを断られることがあります。たとえば、保護者は学習支援を重視しているのに対し、事業所は生活習慣や社会性の育成を中心に行っているケースなどです。
事業所の支援方針と保護者のズレは、子どもの成長にとっても望ましくないため、施設側が「別の事業所のほうが適している」と判断するケースがあります。対策としては、事前に見学や体験利用を行い、支援内容・スタッフの対応・1日の流れなどを確認しておきましょう。
理由④ 初回面談や評価で「現時点では支援が不要」とされた
療育施設の中には、独自の評価基準や受け入れ条件を設けており、初回面談や発達検査の結果から「現時点では支援が不要」と判断されることがあります。たとえば、発達の遅れが軽度で日常生活に大きな支障がない場合や、家庭や園で十分対応できていると見なされた場合などです。
しかし、成長過程で困りごとが表面に現れることもあるため、必要性を感じる場合は医師や専門機関で発達検査を受け、診断書や意見書を取得して再度申し込めます。また、施設によって判断基準が異なるため、別の事業所に相談すると受け入れが可能になるケースも少なくありません。
理由⑤ 多動・怒りっぽい性格が周りに迷惑をかけるため受け入れられないといわれた
子どもの多動や易怒性が強く、集団活動でほかの利用者に迷惑を加える恐れがあると判断された場合、施設から受け入れを断られることがあります。発達障害そのものではなく、性格や行動面の特徴が背景にあるケースも多く、周りの子どもや職員への安全配慮が理由です。
とくに、人員配置や空間的制約のある事業所では、個別対応が難しくなるため慎重な判断がされます。対策としては、家庭や園で行動改善の取り組みを行い、状況が落ち着いた時点で再申請する方法が適切です。
また、少人数制やマンツーマン支援を行う事業所、行動面の課題に特化したプログラムを持つ施設を探すことで、受け入れが可能になる場合もあります。
理由⑥ 医療的ケアや重度支援への対応が施設側で難しかった
発達の遅れに加えて、人工呼吸器や胃ろう、痰の吸引などの医療的ケアが必要な場合は受け入れを断られるケースがあります。また、重度の身体障害・知的障害がある場合も、施設の体制や設備の制限から受け入れが難しいと判断されることがあります。
多くの療育施設は医療行為を行えるスタッフや専用設備を備えていないため、緊急時の対応に不安がある場合は安全面を理由に断られる場合があります。施設の体制や設備の制限で断られるときは、医療的ケア児に対応できる専門機関や、看護師が常駐する事業所、または医療型児童発達支援センターを探すのが有効です。
療育を断られたときに考えられる自治体や施設の対応の違い

療育の利用可否は、子どもの状態だけでなく、自治体や施設ごとの判断基準や運営方針によっても変わります。市区町村によっては、療育手帳や診断名がないと申請がとおりにくい地域もあれば、発達検査の結果のみで利用できる制度を設けている地域もあります。
また、限られた枠を優先度の高いケースに充てる方針の自治体では、軽度と判断された場合に後回しになることも少なくありません。
たとえば、A市では医療的ケア児や重度障害児を優先的に受け入れる体制を整えています。しかし、B市では保健センター内に発達相談専門員を配置し、軽度の遅れでも早期支援につなげる取り組みを行っているといったケースです。
さらに、支援窓口や保健センターの職員数・専門性も地域差が大きく、断られた場合は、別の自治体や施設であらためて相談すれば道が開ける場合があります。
療育を断られた場合の次の相談先と支援機関の探し方

療育の利用を断られた場合でも、別の支援機関や相談窓口を活用すれば、新たな選択肢が見つかることがあります。自治体や民間団体には、療育に関する情報提供や施設紹介を行う機関が複数あり、状況に応じて使い分けることが大切です。
以下に主な相談先と、その概要をまとめます。
名称 | 概要 |
児童発達支援センター | 発達の遅れや障害のある子どもへの総合的な療育支援を行う専門機関。 |
市区町村の相談窓口 | 福祉課や子育て支援課などで、療育に関する制度案内や施設紹介、申請手続きのサポートを行う窓口。 |
発達障害者支援センター | 発達障害のある本人や家族を対象に、診断後の生活支援や療育機関の紹介、就学・就労に向けたアドバイスを提供する広域的な相談機関。 |
NPO法人/フリースクール | 学校や一般の療育施設では対応が難しい子どもに対し、少人数制や柔軟な学習・生活支援を提供する団体。 |
施設検索サイト( イクデン) | 全国の療育施設や放課後等デイサービスを条件検索できるサイト。地域や支援内容、対象年齢などから比較検討が可能。利用者の口コミや施設情報も閲覧できる。 |
上記の機関を併用して情報収集すれば、断られた条件でもスムーズに次の支援先へとつなげられます。
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療育を断られた場合に次の候補を探す際のポイント

一度断られてしまっても、条件や方針の合う施設を見つければ支援につながる可能性は十分にあります。ここでは、次の候補を探すときに押さえておきたいポイントを5つ紹介します。
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療育カリキュラムでの活動内容が家庭の方針と合っている
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自宅や学校からの距離が近く通いやすい・送迎がある
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一緒に過ごす児童に同じ状況(年齢・学校・障害の程度)の人が一定数いる
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知人や体験者からの口コミ・評判が上々である
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家庭の事情にあった時間帯で通園できる
療育カリキュラムでの活動内容が家庭の方針と合っている
施設ごとに療育カリキュラムの内容は異なります。運動や感覚統合など身体面の発達を中心に行う施設もあれば、言語・コミュニケーション能力の向上に力を入れる施設、生活習慣や社会性の育成を重視する施設もあります。
家庭で「どの力を伸ばしたいか」の方針が明確であれば、その方向性に沿ったカリキュラムを提供している施設を選ぶことで、子どもの成長がよりスムーズになります。見学や体験利用の際には、活動内容をしっかり確認し、家庭での取り組みと一貫性があるかをチェックすると安心です。
自宅や学校からの距離が近く通いやすい・送迎がある
療育を継続するうえで、通いやすさは大きなポイントです。自宅や学校から近い施設であれば移動時間や負担が少なく、子どもも保護者も安心して通えます。
とくに、放課後等デイサービスの場合は、学校から直接施設へ移動するケースも多いため、送迎サービスの有無や対応エリアは必ず確認しておきましょう。送迎があれば天候や交通手段の影響を受けにくく、保護者の送迎負担も軽減されます。
一緒に過ごす児童に同じ状況(年齢・学校・障害の程度)の人が一定数いる
療育の場では、同じ年齢層や学校に通う子ども、または障害の程度が近い子どもが一定数いることで、安心感や居心地の良さが高まります。似た状況の仲間がいると、活動内容や支援方法が子どもに合いやすく、交流や学びもスムーズに進むでしょう。
逆に年齢や発達段階が大きく異なると、活動についていけないケースや物足りなさを感じることもあります。見学や体験利用の際には、同じ時間帯に在籍する児童の年齢構成や特性、雰囲気を観察し、子どもがリラックスして過ごせそうかを見極めることが大切です。
知人や体験者からの口コミ・評判が上々である
療育施設を選ぶ際には、実際に利用している保護者や過去に通っていた家庭からの口コミ・評判も判断材料になります。公式サイトやパンフレットではわからない、スタッフの対応や施設の雰囲気、トラブル時の対応力など、リアルな情報が得られるためです。
とくに信頼できる知人や、同じ地域・学校の保護者からの声は参考になり、安心感にもつながります。ただし、口コミは個々の感じ方によって評価が分かれるため、複数の意見を比較し、自分の家庭の価値観や希望と照らし合わせて判断しましょう。
家庭の事情にあった時間帯で通園できる
療育に通い続けるためには、施設の営業時間や利用可能な時間帯が家庭の生活リズムに合っていることが重要です。保護者の勤務時間や兄弟姉妹の送迎スケジュール、家庭での休息時間とのバランスが取れていないと、負担になり継続が難しくなります。
放課後等デイサービスの場合は学校終了後からの利用が中心ですが、延長利用や長期休暇中の午前利用に対応している施設もあります。利用希望の曜日や時間帯に空きがあるか、繁忙期の対応はどうかを事前に確認しておくと安心です。
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療育だけでなく「保育園」も断られた?考えられる理由と対応策

療育と同じように、保育園の利用申込でも断られてしまうケースがあります。以下に保育園を断られる理由と、対応策の例を紹介します。
断られる理由 | 対応策の例 |
対象基準に当てはまらない | 再度専門医での診断を受け、結果を持参して再申請する |
定員がいっぱい | 空きが出るまで待機登録をしつつ、他の施設・学校を並行して探す |
支援の必要度が低いと判断された | 日常生活の困りごとを具体的に記録し、必要性をアピールする |
専門的対応が難しい | 他地域や民間の療育サービス・支援学級を検討する |
保護者と施設で認識がずれている | 支援会議で希望を整理し、第三者(相談支援専門員等)を交えて調整する |
断られる理由はさまざまですが、「受け入れ定員の超過」「保育士の人員不足」「医療的ケアや発達支援への対応が難しい」などです。とくに、加配が必要と判断される子どもの場合、園側の体制や経験値によっては安全面の配慮から入園を見送られることがあります。
対応策としては、自治体の保育課や子育て支援課に相談し、受け入れ実績のある園を紹介してもらうこと、一時保育や小規模保育園など別の制度も検討してみましょう。
療育との違いは「発達支援の有無」にあり、保育園は生活や集団活動を中心にした場であるため、両方を並行して利用する家庭も多いのが特徴です。
療育を一度断られた施設でも再申請できる場合あり!再評価のポイントを紹介

一度断られた療育施設でも、取り組みや環境の変化によって半年〜1年後の再評価で支援対象となるケースがあります。ここでは、再申請に向けて押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
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子どもの行動や変化を日々記録しておく
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医師や園の先生に意見書を書いてもらう
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自治体や相談窓口を変える
子どもの行動や変化を日々記録しておく
再申請を検討する際は、子どもの行動や発達の変化を日々記録しておくことが大切です。具体的には、できるようになったことや苦手なこと、集団活動での様子、感情の起伏やトラブルの頻度などを簡潔にメモしておきましょう。
こうした記録は、保護者の主観だけでなく、実体験に基づく客観的な根拠として評価時に役立ちます。さらに、動画や写真で日常の様子を残しておくと、言葉だけでは伝わりにくい行動や状況を具体的に示せるため効果的です。
医師や園の先生に意見書を書いてもらう
再申請時には、医師や園の先生からの意見書が有効な資料となります。意見書とは、子どもの発達状況や日常生活での様子、支援が必要と考えられる理由を第三者の立場からまとめた文書のことです。
医師の場合は診断名や発達検査の結果、治療や療育の必要性を明記してくれます。園の先生は、集団生活での行動面や対人関係、学習や活動への参加状況など、日常の具体的な様子を記載してくれます。
医師や園の先生といった専門家や関係者からの客観的な評価は、支援の必要性を判断するうえで大きな説得力を持つでしょう。
自治体や相談窓口を変える
同じ子どもの状況でも、自治体や相談窓口によって判断基準や対応方針が異なるため、相談先を変えることで受け入れ可能になる場合があります。たとえば、ある自治体では支援対象外とされても、別の自治体や広域型の発達支援センターでは受け入れが可能になることがあります。
断られた経験があっても一度で諦めず、近隣市区町村や民間の相談機関にもアプローチしてみると、新たな選択肢が見つかる可能性があるでしょう。
療育を断られたときに検討できる他の療育サービス

施設から療育を断られた場合でも、支援の道はほかにもあります。行政サービス以外にも、民間やオンラインを活用した療育、家庭でできる自主的な取り組みなど、状況に合わせた選択肢があります。
ここでは、代表的な療育サービスの種類と特徴をまとめました。
サービス名 | 概要 |
オンライン療育 | ビデオ通話や専用アプリを使い、自宅で専門スタッフから指導やサポートを受けられるサービス。通所が難しい場合や地方在住でも利用しやすい。 |
個別療育(民間) | 民間事業者が提供するマンツーマン型の療育。発達や行動の課題に合わせて柔軟にカリキュラムを組めるが、費用は自費となることが多い。 |
ほかにも、家庭向け教材やアプリでの自主支援も選択肢に入れてみましょう。上記の表で紹介したサービスを組み合わせて利用すれば、通所施設の利用が難しい場合でも、子どもの成長を支える環境を確保できます。
療育を断られたときの不安とどう向き合う?保護者のメンタルケアも大切

療育を断られたとき、多くの保護者は「子どもを否定されたように感じる」といいます。その結果、育児への自信を失い、「自分の関わり方が悪かったのでは」と自分を責めてしまうこともあります。
さらに、相談できる相手がいない場合は孤立感が強まり、精神的な負担が大きくなりやすいでしょう。このような状況では、まず保護者自身の心の健康を守ることが大切です。専門家やカウンセラーに話を聞いてもらうことで、誤解や思い込みがほぐれ、状況を客観的に捉えやすくなります。
また、同じ悩みを持つ保護者との交流は、安心感や情報共有の場にもなります。
療育を断られても「今できること」から少しずつはじめてみましょう

療育を断られたからといって、「支援が不要」という意味ではありません。施設の受け入れ状況や条件はさまざまで、複数に相談すれば新たな選択肢が見えてきます。
本記事で紹介したように、理由を把握し対処法を試みながら、次の候補や代替サービスを探すことが大切です。全国の療育施設を条件で検索できる「イクデン」を活用すれば、お子さまに合った支援先を効率的に見つけられるでしょう。
療育を断られて別の施設を探している保護者様は、ぜひご活用ください。
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また、施設担当者の方は、無料で掲載希望を申し込めます。集客でお困りの療育施設のご担当者もぜひ一度お問い合わせください。
ぜひ イクデンへ気軽にお問い合わせください。
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